神輿をみる機会
概説
三基の神輿を見ることができるのは、7月10日から、28日までの神輿洗いの間です。組み立てた神輿は10日に神輿洗が行われ、28日に再び洗われた後、本殿からみて楼門の右の方にある蔵にしまわれます。以下、主なものを御紹介します。日程の詳細は以下のリンクを御参照ください。
神用水清祓式 7月10日
神用水清祓式(しんようすいきよはらえしき)とは、17日の神輿渡御に備え、10日の夜に行われる、神輿洗式で用いる水を鴨川から汲み上げて、その水をお祓いする神事です。
神輿洗式 7月10日
19:00~ 八坂神社を四条大橋にむけ出発
神輿洗式では三基の神輿を代表して、中御座が四条大橋上で清められます。
まずは、19時頃、先祓の松明が中御座が通る参道(八坂神社~四条大橋間)を清めます。この松明の全長は約5メートルで、種火は前年の12月28日に朮火として鑽りだされたものを使用します。
先祓いの後はいよいよ中御座が出発します。写真は八坂神社の舞殿(ぶでん)の様子です。東、西御座は飾りがついています。
中御座はご覧のように、神輿洗に備え、飾りがつけられていません。この状態を見ることが出来るのは神輿洗式の時だけです。ちなみに、中御座は巡行の時は、三若神輿会が担ぎますが、神輿洗式のときは巡行時に東御座を担ぐ四若神輿会が担ぎます。
2015年までは、四条大橋の上で観覧できたのですが、昨年からはできなくなりました。恐らく今年以降も無理かと思います。
ここで、午前中の神用水清祓式で汲み上げた御神水を用いて、中御座を清めます。この時の飛沫を浴びると厄除けになると言われています。
たぶん今年も橋の上からみることはできないと思うぜ。いろいろ世知辛いな。
宵宮祭 7月15日
舞殿に安置された三基の神輿に本殿より御神霊を移します。厳粛な行事で撮影などは一切できません。
神輿渡御 7月17日
三基の神輿はそれぞれ、別のルートで八坂神社の氏子地区を回りながら、四条寺町の御旅所に向かいます。到着後は、三基の神輿に乗られた御霊は御旅所へと移され、そのまま24日まで市中にとどまります。ビデオは八坂神社を出発する西御座です。
神幸祭(と還幸祭)に際し、神宝奉持列が神輿に先立ちすすんでいきます。上の写真をご覧いただきますと、橙色の細長い板のようなものをご確認いただけると思います。これは勅板(勅裁御板)といい、毎年大政所御旅所(後ほどご紹介しますが、現在の御旅所の前身のような場所)に神輿を渡御せよとの円融天皇の勅令が書かれた板です。
概ね午後9時くらいに中御座が四条寺町の御旅所に到着します。ビデオでは中御座が到着する様子をご紹介します。勅板、久世駒形稚児が先行してく様子をご覧ください。
一昨年前までは、三基の神輿が御旅所に入るのは午前一時くらいでしたが、昨年は午前0時までには入りました。今年も同様になるかもしれません。
御旅所に八坂神社の御祭神が鎮座するあいだ、一言も発せずに夜ごとお詣りすると願いが叶うと言われています。24日は一晩で七回お参りします。
黒い線:中御座
青い線:東御座
オレンジの線:西御座
還幸祭 7月24日
御旅所に鎮座していた三基の神輿は御霊を乗せ、氏子地区を回りながら、再び八坂神社に戻ります。この時、中御座だけは、祇園祭発祥の地、神泉苑に向かい、仏事、神事の両方が行われます。
17:00ころ~ 御旅所より順次出発
黒い線:中御座
青い線:東御座
オレンジの線:西御座
神輿渡御関連施設
御旅所
現在の御旅所は四条寺町にありますが、元来は大政所御旅所と少将井御旅所という二つの御旅所がありましたが、豊臣秀吉公が京都の町割りを変更した際に現在の場所に統合されました。以下、それぞれ見ていきましょう。
大政所御旅所
かつては中御座と東御座が渡御しました。現在では還幸祭に際し、すべての神輿が立ち寄ります。秦助正という長者の夢に、八坂大神の御神託があり、家から祇園社まで蜘蛛の糸が引いているのを見、朝廷にその旨つたえたことにより、御旅所となりました。錦天満宮が所蔵している祇園会大政所絵図という絵によれば、ここで湯点神楽をしていたようです。
少将井御旅所
かつては車屋町通夷川上ルにあり、西御座が渡御しました。現在は御所の中にある、宗像神社にお社が移されています。
すまねえ。跡地はフツーの家の一角なんでここでは言えねえ
四条御旅所
現在の御旅所です。すべての神輿が渡御し、7月17日から24日までの間とどまります。
又旅社(御供社)
かつてはそれぞれ別ルートをとっていた三基の神輿が邂逅した場所です。祭の列を点検したため、「列見の辻」とよばれました。現在では、7月23日にオハケ清祓式、24日には神輿を供える又旅社奉饌祭が行われます。
神泉苑
かつては禁苑(天皇専用の庭)でしたが、現在は真言宗のお寺になっています。