この記事の構成
- このページ 屋根の葺き替え工事、舎利殿の構造
- 2ページ目 鏡湖池
- 3ページ目 金閣寺の歴史
- 4ページ目 金閣寺のその他のみどころ全部
- 5ページ目 金閣寺の四季:紅葉・雪景色など
- 6ページ目 おみやげ、アクセスなど
このページのもくじはこの下にあります。
2020年9月より12月まで屋根の葺き替え工事
2020年9月1日より、杮葺の屋根の葺き替え工事が行われていましたが、現在は終了しています。尚、以前と異なり、金閣寺前バス停は利用できませんので、龍安寺、仁和寺方面に行かれるかたはこちらをご覧下さい。
2023年現在、とっくに終わって、ビカビカに輝いてるけどな。
詳細は上のリンクを参照してね♡
2023年現在、混雑が著しいので、以下のリンクを参照してくれ
2023年紅葉
紅葉シーズンの金閣寺は大変混雑するよ。これを回避するコースをつくったから見てね。清水寺にも行けるよ。
金閣寺の見所
舎利殿
「金閣寺」と言われたときに一番最初に思い浮かぶ建物ですが、正確な名称は「舎利殿(しゃりでん)」といいます。「舎利」とはお釈迦様の遺骨のことです。
銀閣寺の観音殿とともに、かつて西芳寺にあった瑠璃殿(二枚目の写真の池の右側にかつて存在)を範としています。
ご覧の通り、金閣寺(舎利殿)は金色で、銀閣寺は銀色ではありません。銀閣寺には銀箔は貼ってありませんし、貼られたことすらありません。
他方 、金閣寺には金が貼られています。1950年の放火による焼失前の金閣寺は現在の一階の部分の屋根がない構造の三階建てであり、当時は少なくとも三階部分には金箔がのこっていました。(ただし、現在のように綺麗な状態ではありません。なお、二階部分については金箔が貼ってあったかどうかは争いがあります。)
焼失後の大改修では、二階と三階部分に金箔が貼られますが、10年ほどで剥がれ落ちてしまいました。これは金箔にある目に見えない穴から紫外線が侵入し、下地の漆を侵食したいた頃が原因でした。
所々黒い下地がのぞいていて渋い感じで、決してみすぼらしい様相ではなかったよ。
これを克服すべく、1986年から翌年にかけて行われた「昭和の大改修」では、それまでの5倍の厚さの金箔が用いられました。大きさは約10.8センチ四方で、これが約20万枚使われました。重さにして約20キロです。現在の価格ですと、約一億円くらいです。漆は浄法寺漆という岩手県産の漆が使用されました。この漆は中尊寺金色堂など、国宝クラスの建築物の再建にもちいられる有名な物です。
仏舎利は後ほどご紹介します、第三層たる究竟頂に安置されています。
この舎利殿が金閣寺の御本堂のような気がすんべ?でもよー、御本堂は舎利殿の横にある方丈なのよ、わりーけど。
舎利殿の構造
外観
以下でご紹介する金閣寺の内部の写真(2階、3階)は境内のおみやげ屋さんでかった絵葉書を撮影したものです。内部を拝観することはできません。
とりあえず買っといたほうがいいんじゃねーの?毎日拝めるぜ。
舎利殿は三層からなり、屋根の頂上に鳳凰像があります。
舎利殿には漱清院(釣殿とも呼ばれます)とよばれる船着き場のような建造物が付属します。もともとはもうすこし離れたところにある大きな建物だったようですが、現在は舎利殿の裏側から見えます。(他の場所からはなかなか見えません。)船をつけたり、涼をとったりするところです。
一般に釣殿っつーのは、寝殿造の建物に付属する建造物で、池の上にあんのよ。で、魚釣りのためにあるんじゃなくて、暑い日に涼をとるためのもんなのよ。金閣寺のは船に乗るところみてーだけどな。
法水院 一層
一階は法水院(ほうすいいいん/ほすいいいん)と呼ばれ、寝殿造になっています。法水とは、煩悩を洗い流す水のことです。寝殿造とは平安時代の貴族の邸宅の様式のことです。金閣寺は北山文化は公家と武家の文化の融合と評されることがありますが、その特徴の一つを垣間みることができます。
外から見てわかる特徴としましては、半蔀(はじとみ)が挙げられます。半蔀とは蔀戸(しとみど)が変容したものです。上の写真は大覚寺の半蔀です。柱の間に雨戸のようなものがあるのがお分かりかと思います。”Upper part”と書かれている部分が外側に開き、フックで吊るしてあります。”Lower part” とかかれた部分は柱の溝にさしこんであります。扉が壁を兼ねており、内と外を明確に区別しない当時の建築の特徴を備えています。半蔀は重さが80キロくらいあり、一人で開閉することはできず、御所では女官が二人掛かりで開け閉めをしていたようです。
蔀戸とは半蔀のように上下に分かれておらず、かつ、ふすまがありません。故に、半蔀のように外側に開けるのではなく、内側に開けていました。
これが一層内部の様子です。普段から半蔀があげてあります。左側に見えるのが、足利義満像、隣が宝冠釈迦如来像、さらにその左側には軸が掛けてあります。
ラホツー!
釈迦如来は禅宗の本尊です。通常は東大寺の大仏さんやアフロ大仏、そして写真のアフロアヒルように螺髪と呼ばれるパンチパーマのような髪型ですが、宝冠釈迦如来像では、髻という束ねた髪の毛の上に冠を被っています。
こんな感じですよ
本来、如来像とは釈迦が悟りを得た後の姿で、通常は納衣(のうえ)を纏い出家した僧の姿をしていますが、宝冠釈迦如来像では宝冠を被ることにより、出家前の釈迦, i.e., 修行中の釈迦を表しています。
軸には三行から成り、右から「開山夢窓国師」、「開祖達摩円覚大師」、「歴代祖師諸位禅師」と書かれています。
潮音洞 二層
二層は潮音堂(ちょうおんどう)と呼ばれます。真実が海の音のように遠くからやってくるという意味です。武家造になっています。舞良戸(まいらど)という板でできた引き戸があります。蔀戸とは異なり、一人で開けられます。今日の引き戸とあまりかわりありません。
内部には岩屋観音と四天王像が安置されています。岩屋観音とは、岩窟や岩上に祀られた観音像のことをさします。金閣寺の岩屋観音像にも後ろに岩のようなものがあります。二層部分が潮音堂だからかと思われます。(調査中)四天王像は通常と同じ、写真右奥から時計回りに、東に持国天、南に増長天、西に広目天、北に多聞天となっています。もともとあった観音像は応仁・文明の乱で逸失しました。潮音洞という額字は足利義満によるものです。
「地蔵さん買うた」で覚えてくれ
天井部分にはご覧のように、西方極楽浄土を想起せしめます。
尚、明治中頃までは二階部分に楼閣と舎利殿をつなぐ橋がありました。これも西芳寺瑠璃殿を範としていた証左です。(瑠璃殿は橋で観音殿とつながっていたと解する余地があるため)
究竟頂 三層
三層は「究竟頂(くっきょうちょう)」と呼ばれます。「究極」という意味です。禅宗仏殿造とよばれる、禅宗の寺院の建築様式です。漆塗りの床を除き、柱から天井に到るまで金箔が貼られています。天井には約3,000枚の金箔が貼られていますが、これらはたった1日で貼られたものです。床は漆塗りで、仏舎利を収めた厨子が置かれます。(写真は境内にあるパネルを撮影したものです。)
舎利殿そのものは、焼失するまでは、北山殿時代からのたてものでしたが、後小松天皇が書いた扁額と鳳凰だけは、修理のために取り外されていたため、難を逃れました。
鳳凰は古代の中国で瑞鳥(吉兆の前触れ)とされて想像上の鳥です。明治時代の修理に際し、尾の修理のため、取り外されていたために火災を逃れました。ちなみに一万円札に描いてある鳳凰像は平等院(英語版)の鳳凰を範としています。
この鳳凰が唯一残ってる創建当時の遺品だ。しっぽが折れてたから、修理のために外して保管されてたのよ。ただし、この鳳凰像と扁額はいずれも複製品で、本物はしまってあるぜ。オレの部屋の天袋にな。
しっぽを引っ張ると、羽がパタパタ動くしくみになっています。
適当なこというんじゃねえ
後程解説申し上げますが、金閣寺は元来、「西園寺」というお寺でしたが、この時の名残で、究竟頂には阿弥陀三尊像と二十五菩薩像が祀られていましたが、現在はありません。
銀閣寺を創建した足利義政が1485年に遊びに来た時はもうなかったって言ってたよ。
仏舎利
先ほど申し上げましたように、この階のどこかに仏舎利が収められている筈です。(調査中)仏舎利とは、釈迦の遺灰などのことです。
仏舎利は通常はご覧のような五重の塔に安置されていますが、金閣寺では舎利殿に内にああります。仏舎利とは先ほど申し上げましたように、釈迦の遺灰などですが、実際には、写真の法隆寺の五重塔のように、宝石などで代替されています。
お寺は世界中にあるからな。
金閣寺の三層は義満の考えを表している?
これまで見たきたように、金閣は一層は寝殿造(公家)、二層は武家造、そして三層は禅宗様式となっています。これは、一説には、義満の当時に日本における理想の階層を示しているとも言われます。
当時は公家は衰退に向かっていて、代わりに武家が勢力を拡大した時代でした。義満を例にとってみると、妻は准母(天皇の母に擬制された女性のこと)となり、子の義嗣を天皇の養子にし、退位させて自分は上皇になろうと解する余地があります。義満の諱なぜか「鹿苑院太上天皇」です(「太上天皇」とは譲位した天皇などに冠せられる尊号であり、将軍といえども冠することはできません。ちなみに金閣寺の正式名称は「鹿苑寺」といいますが、この諱からとっています)。そんな計画を立てていた矢先、義満は急死しています。
実は生前に朝廷に「オレが〇んだら太上天皇たのんますわ、太上天皇」ってたのんでたのよ。で、義満公の死後、朝廷は「太上天皇」の尊号を贈った(その旨の天皇の宣下があった)けど、義持らは辞退して、結局「なかったこと」になったんだけどよー。