Overview
- 奈良の大仏さんは「毘盧遮那仏」という如来像です。
- 最初に作られたのは、752年ですが、その後焼失しています。現在の大仏さんは、概ね頭部が江戸時代、体が鎌倉時代に作られたものです。
- 奈良時代、日本は天然痘、飢饉、旱魃、大地震などの社会不安が増大していたため、是を克服すべく、聖武天皇が華厳経と鎮護国家の思想の下、大仏建立を決意しました。
- 八回に分けて銅を流し込んで鋳造し、その後に螺髪(髪の毛)をつけ、最後に金を塗りました。
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概要
一般に「奈良の大仏」として知られる、東大寺の大仏さんは、「毘盧遮那仏/盧遮那仏(びるしゃなぶつ/るしゃなぶつ」という大仏殿のご本尊で、正式には「盧舎那仏坐像」と呼ばれ、国宝に指定されています。また、東大寺自体は、1998年に古都奈良の文化財の一部として、ユネスコの世界文化遺産に登録されてます。
大仏さんは「大仏殿」と呼ばれる建物の中に鎮座しています。正式には「金堂(こんどう/きんどう。ご本尊を安置する仏殿一般のこと)」と言います。現在の大仏殿は1567年に焼失した鎌倉時代の大仏殿を、江戸時代の1709年に再建したものです。大きさは横約57メートル、奥行き約50メートル、高さが約48メートルあります。
大仏殿内では、脇侍に虚空蔵菩薩と如意輪観音を従え、四天王像が四方を守護します。
大仏殿は見所が沢山ありますので、後程改めて記事にする予定です。まずは歴史や構造についてお楽しみください。
特徴
大きさ
台座から頭頂部までの高さは約15メートル、台座の高さは約3メートルです。お顔の長さが約3.3メートルほどあります。これだけではなんとなく大きいといった実感しかわかないかとおもいますので、以下、実際にその大きさをしることができるものをご紹介します。
まずは、大仏殿の手前にある東大寺ミュージアム前にある手のひらの模型から。
手の平の全長は約1.5メートルあります。
次に大仏殿の中にある柱です。この柱にはちょうど大仏さんの鼻の穴と同じ大きさの穴が開いています。
鼻の穴の大きさは縦約37センチ、横約30センチとなっています。この穴をくぐることを、「柱くぐり」といって、無病息災などのご利益があります。小学生高学年くらいまででしたら、比較的容易にくぐれます。大人でも、身長約170センチくらいの女性がくぐり抜けていました。
大仏殿の鬼門に当たる柱に当たるし、ここで気を調節しているらしいぜ。くぐるときは無理するなよ。
肉髻(にっけい)
大仏さんの頭の上についている、ぽこっとしたものを肉髻と呼びます。頭頂相とも呼ばれます。慈悲が深いことを表します。
螺髪
パンチパーマのような縮れた髪の毛のことです。如来像についています。如来とはサンスクリット語で「真理としてやってきた人」を意味します。
白毫(びゃくごう)
おでこにあるほくろのようなものをこう呼びます。ほくろではなく、白い巻き毛で、人々を教えに導くべく、光を放ちます。
引っ張ると約4.5メートルもあるよ。
施無畏印(せむいいん)
右手(向かって左)は施無畏印という印相です。これは、人々の畏れを除く効果を与える印相です。
与願印(よがんいん)
先ほどの写真の左手は与願印と言います。人々の願いを聞き入れる効果を持ちます。
施無畏印と合わせ施無畏与願印とよばれるよ。人々に向かい「畏れる必要はありません。願いをきいてあげますよ。」といっているんだね。これはあとで教える大仏さんが作られた理由にも関係しているよ。
光背(こうはい)
大仏さんの背後にある金色のものを光背と言います。智慧の光を表します。沢山の化仏があしらわれています。これはあらゆる世界の仏が集まっている様子を表しています。
台座
台座は蓮華蔵世界を表しています。蓮華蔵世界とは毘盧遮那仏が行った修行と、何人も幸福と安寧を得られることを願いにより作出された清らかな世界で、大きな蓮華の上に存在すると説かれます。すなわち、「香水海」という清涼な真水の大海の上に一輪の巨大な蓮華があり、これが地面になっています。その地面の上にさらに「香水海」があり、そこに大きな蓮華があり、さらに幾多の世界がその上にあるとされます。東大寺の大仏さんはこの蓮華蔵世界を表しています。
大仏さんは蓮華座と呼ばれる、蓮華を模した台座の上に座られています。この花びらの部分に、蓮華蔵世界が描かれています。中心が毘盧遮那仏、周囲には菩薩がいらっしゃいます。その下には25の世界が描かれます。この世界は蓮華の花の上にあります。これが右の蓮華蔵世界を示しています。この蓮華座の花びらは奈良時代の創建当時からいままで残っているものの一つです。