概説
新緑の時期になりますと、所謂”青もみじ”が取り上げられることが多くなってきました。僭越乍、拙サイトでも、京都の青もみじランキングの記事につき、多数のご閲覧の栄に浴しております。
この様に近年、皆様がご興味をお持ちの青もみじですが、京都ですと、どうしても混雑しがちです。昨今、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっておりますところ、できれば混雑は避けたいところです。また、京都と奈良では魅力が若干異なります。これについては、これからご紹介したします各場所でその都度取り上げますが、簡単に申しますと、以下の三点です。
- 余白がある
- 青もみじのみに特化するのではない
- 喧しさを忘れられる
勿論、この三点は京都の青もみじにも認められ、相対的なものです。しかし乍、奈良には奈良の特色がございますので、以下、右につき紹介申し上げます。
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#1 奈良公園
特徴
まずは奈良公園から行きます。奈良で一番有名な名所です。隣接する寺院等を含めると総面積約660haと、とてつもなく広い場所です。現時点では総じて「奈良公園」としますが、今後、分割するかもしれません。青もみじに関してもそれくらいみどころが多い所です。
余白がある
それでは、冒頭でご紹介しました点につき申し上げます。これは2位、3位の場所についてもいえることですが、余白が多いということです。これは土地が広いことも関係していますが、辺り一面に青もみじ、という塩梅にはなりません。京都ですと、天授庵書院前庭園など、楓が沢山植えられていて、押し寄せてくるかのような感がありますが、奈良ではそのようなことはなく、余裕があります。
ただし、これには例外があり、吉城園という庭園は青もみじだらけです。
春日大社も結構そうだよ
青もみじのみに特化するのではない
奈良公園には東大寺、興福寺、春日大社などの社寺があります。これらはいずれも歴史的価値があるものばかりで、東大寺の大仏さん、興福寺の仏像などはつとに有名です。また、シカさんが沢山いるので、鹿せんべいをあげつつ青もみじを楽しむことができます。これは他の場所にはない特徴です。
京都には私がいますけどね。
喧しさを忘れられる
先程申し上げました様に、奈良公園は広大な面積を誇ります。東大寺周辺にはシカさん、春日大社方面には緑が多い、興福寺付近は広いといった特色があり、これらが相俟って、己が悠久の只中にあることに気づきます。
また、付近の奈良まち(昔の奈良の街並み)などもこれに寄与しています。
なんつーかよー、いままでとは何か時間の流れが違う感じがするんだ。
とりあえず、シカさんにおせんべいをあげてみましょう。
奈良公園へのアクセス
近鉄奈良駅より徒歩約5分
JR奈良駅より徒歩約15分
奈良公園基本情報
#2 唐招提寺
概要
唐招提寺は唐の高僧、鑑真和上が開基となる律宗の総本山です。奈良時代建立で唯一残る金堂(御本尊を祀る建物)を有します。堂内には御本尊たる毘盧遮那仏像、脇侍の薬師如来像、千手観音像を祀ります。
千手観音像は現在は953本の手があります。当初は1000本あったものとされています。
薬師如来像だぜ。アベックコロちゃんの常況下では是非参拝してーべ?参拝しときゃもうこっちのもんだぜ。
歩いて10分くらいのところに薬師寺もありますよ。
余白がある
唐招提寺もあたり一面青もみじというわけではありません。境内には様々な建造物がありあますが、これらと調和した青もみじをたのしむことができます。これは青もみじ、秋の紅葉、春の桜に関しても同じことが言えます。
青もみじのみに特化するのではない
境内には様々な季節の植物を楽しむことができます。青もみじとこれらが主従たるわけではなく、両者がいい塩梅で調和しています。先ほどから「調和」を連発してますが、唐招提寺に行くと、この言葉が自然と浮かんできます。
そして、この調和の最たるものが、鑑真和上御廟にある青もみじと苔です。秋の紅葉にも言えることですが、木漏れ日が見事です。
喧しさを忘れられる
唐招提寺は奈良の外れの方にあります。境内は広く、入った瞬間に別の世界にきたような感覚に陥ります。いつ行ってもとても静かなところです。静謐なところです。時代と浮世から隔絶された、清々しい所です。この中で静かに青もみじを愛でることができます。
浮世から離れた感がすごいよ。ハイシーズンでもあんまし混んでないよ。
晴れてるのにしっぽり
唐招提寺へのアクセス
JR西ノ京駅より徒歩約15分
唐招提寺東口バス停より徒歩約5分
唐招提寺基本情報
#3 法隆寺
概要
法隆寺は聖徳太子創建した斑鳩宮付近に建立された斑鳩寺に起源を持ちます。現在の法隆寺はその後7世紀後半に再建されたものとされています。金堂にはいずれも銅造の釈迦三尊像、薬師如来像などが祀れています。
余白がある
境内は広大ですが、青もみじはそれほど多くはありません。伽藍全体もゆったりしていて余韻があります。余白がなぜ大事かと申しますと、これがある方が青もみじに特化できるからです。現在、花手水というのが流行っているようですが、手水鉢一面を花で満たすものが多いようです。これももちろん綺麗ですが、ぼやけた印象を抱くことがあります。わたしはよく真如堂に参拝しますが、常に手水に季節の植物がさりげなく活けてあります。これを介して、己が季節の只中にあることを実感できます。
簡単にいうとよー、一面に椿や梅やらがあったら綺麗だべ。でもよー椿の花一輪と梅の蕾がついた枝だけがさしてあった方が、強烈に印象に残んべ?
青もみじのみに特化するのではない
法隆寺では広大な境内に青もみじが点在しています。ここでは青もみじはどちらかと言えば、従たる地位にあると申せましょう。主はあくまで法隆寺の伽藍であったり、歴史であります。あくまでこれらに付随して楽しむという点に最大の特色があります。
青もみじがガーッてくるのが好きな人には向かねーぜ。
喧しさを忘れられる
法隆寺はアクセスがあまりよくありません。特に奈良公園や唐招提寺・薬師寺方面から行くバスは一時間に一本くらいしかありません。電車でも法隆寺駅という駅がありますが、法隆寺の近くにあるわけではなく、バスで行きます。このバスも一時間に2、3本しかなくたどり着くまでに苦労します。境内は完全に隔絶されており、世間のことを忘れることができます。
法隆寺へのアクセス
法隆寺門前バス停から徒歩約5分