2024年の日程
概説
- 千日詣りでは一回の参拝で千回参拝したときと同じ功徳、ご利益を得ることができる。
- ご利益は所願成就、延命長寿、病気の平癒、恋愛成就などの現世利益がある。
- 千日詣りの期間中は普段は入れない内々陣に入り、参拝することができる。
- 須弥壇上の御本尊たる十一面千手観音像は秘仏だが、「御前立ち」と呼ばれるレプリカでお姿を拝見することができる。脇侍たる毘沙門天像、地蔵菩薩像も秘仏だが御正体(みしょうたい)と呼ばれる円盤を介し、同様にお姿を拝見できる。
- 例年は献灯することができるが、2021年はできなかった。ルートも若干変更される。
- 本文中での適宜ご紹介するが、清水寺に関する他の投稿はこちらを参照頂きたい。
千日詣りとは?
千日詣りとはどうしても叶えたい願いがあるときに、同じ社寺に1,000回参じ、祈願することにより、神仏の助けにより右が叶えられるとの信仰に基づきなされる参拝方法です。
今日、清水寺などで行われる千日詣りでは、これが転じて、特定の日に一度参拝することにより、千回参拝したものと擬制し、千回分の功徳を得られるとされます。清水寺のサイトでは、”観音信仰の誕生ともに誕生”したと解説されています。
日程は社寺により区々ですが、清水寺では、毎年8月9日から16日までの一週間のあいだ行われ、その間14日から16日までは夜間拝観があるため、宵詣りをすることもできます。
例えばよー、今八坂さんで「御千度詣で」っつー態様で参拝することができんだけどよー、これも仲間だ。もともとは確か30人か33人かで30回、御本殿を回ったのが、ま、ここまではうろ覚えだけどよー、今は一人で3回回って千回回ったことにするんだ。
尚、2022年現在清水寺の工事は終了しています。詳細は以下のリンクをご参照ください。
千日詣りのご利益
後程紹介申し上げますが、清水寺の御本尊は十一面千手観音菩薩です。観音菩薩は一切の功徳を具備し、我々が対峙する災難の状況に合わせ、33のお姿に変化し、苦難から救ってくださいます。現世利益が甚大であり、所願成就、延命長寿、病気の平癒などのご利益があります。他にも恋愛成就、夫婦円満、安産などのご利益もあります。
清水寺参詣曼荼羅でも夫婦が(おそらく)安産の祈願をしている様子が描かれているよ。
内々陣から参拝可能
清水寺の千日詣りでは、平生は入ることのできない、内々陣に入り参拝することができます。
上の写真は清水寺を西から東に向かって見たところです。白い床の所が内々陣、黒い床が内陣で、この二つを合わせて「正堂」といいます。青い床の所が「礼堂」とよばれ、私達が普段は入れるのはここまでです。
社寺建築では、最も重要な部分を「母屋(もや)」といい、この中に御本尊などが祀られております所、一般人はここには入れないのが常です。清水寺ですと、母屋に相当するのが、白い床の左から二番目と三番目で、二番目のところに須弥壇があります。清水寺の本堂は最初に崖の縁に建てられたお堂を、懸造という工法で崖側に拡張していったため、特殊な外観を有していますが、最も重要な場所は母屋の部分にあります。
三十三間堂を想起してみてくれ。観音さんがいっぱいいいんべ?観音さんは全て母屋におわすんだ。極端に横に伸びた母屋だけどな。
これらの構造について詳細を御希望の方は以下のリンクを御参照下さい。
須弥壇上の御本尊
清水寺の須弥壇上にが、中央に御本尊たる「十一面千手観音菩薩像」、向かって右に脇侍たる「勝敵毘沙門天像」、左てに「勝軍地蔵菩薩像」が祀られています。通常ですと、千手観音の脇侍は婆藪仙人(ばすせんにん)と吉祥天ですが清水寺では異なります。
これは、以下の理由によります。すなわち、清水寺の創建者とされる坂上田村麻呂公が蝦夷との闘いで苦戦した時、清水寺の観音様に祈念したところ、開山の延鎮上人が同公の勝利を祈願していた毘沙門天と地蔵菩薩を同地に派遣し、勝利に導きました。この逸話に基づき、「(勝敵)毘沙門天」並びに「(勝軍)地蔵菩薩」が脇侍として祀られています。
いずれも厨子の内部に祀られ、秘仏とされ、33年に一度御開帳があります。中央の厨子の前に観音様がおわしますが、この像は「御前立ち」と呼ばれる御本尊像を模したものです。
少しだけ小さいよ。観音様の詳細は以下のリンクを参照してね。
勝敵毘沙門天像、並びに勝軍地蔵像の御前立ちはありませんが、御正体(みしょうたい)を介してお姿を拝見することができます。礼堂内に入って頂くと、大きなお鈴があり、その左にお賽銭箱があります。正面には御前立ちがおわします。そのまま視線を天井の方に向けると、円盤状のものがあります。これが御本尊の御正体です。左右にはそれぞれ勝敵毘沙門天、勝軍地蔵の御正体があります。ご覧になられればすぐお分かりになるかと思いますが、勝軍地蔵は武装されています。(厨子の華鬘で確認できます。)これは先程ご紹介して逸話に基づきます。
まー毘沙門天が武装してるのは当たり前だけどよー、お地蔵さんが武装してるのは珍しーべ?
厨子の間には二十八部衆が祀られています。
私もいますよ。
千日詣りの仕方
千日詣りでは、通常、内内陣の中に入り、須弥壇の背後で献灯をした後、お札の授与を受け、正面から参拝しますが、2021年は新型コロナウイルス感染症の影響により、このルートは一部変更され、献灯はできないとのことです。
いつもなら、観音様の羂索を触れるんだけど、これもないと思うよ。
以前いただいたお札をお返しすることができますので、忘れずにお持ち下さい。
夜間拝観の様子はビデオでご確認下さい。所謂「青もみじ」がまだ残っております。2021年は、仁和寺、東福寺、東寺で青もみじの時期にライトアップがありましたが、清水寺でも十分楽しむことができます。
青もみじライトアップはありそーだけど実はあんまりねーからな。
清水寺基本情報
清水寺へのアクセス
市バス四条河原町、京阪祇園四条駅・阪急河原町駅で下車し、徒歩で清水寺へ。徒歩約30分。最寄りバス停は五条坂、若しくは清水道バス停ですが、当サイトでは混雑するので推奨しません。詳細は以下のリンクをご参照ください。