どのように作ったのか
概説
奈良の大仏さんの建立は、天平17年(745年)開始、天平勝宝4年(752年)に開眼供養会を迎えます。この時点では、大仏さんの外観が整っただけで、光背や鍍金などは施されていません。
使われた主な材料は、本体を作るための銅が約500トン、鍍金に使う水銀約2.5トン、金約500グラムとなっています。造営に関した人は当時の人口の約半分ほどの600万人と推定されています。総費用は先ほども言及しましたが、約4,600億円と試算されています。
大仏さんは仏像の中では、銅像に当たります。長持ちする反面、莫大な費用を要します。故に、朝廷などが関係していないと作れません。尚、このように人的、物的に莫大な支出を強いる事業でしたので、聖武天皇の願いとは裏腹に、国家は疲弊してしまいました。
原型を作る
まずは、木で骨組みをつくります。これが原型になります。
中型(なかご)を作る
次に、先ほどの原型に土を塗り重ね、大仏さんの表面を作ります。土は外側に向かうほど肌理が細かくなります。土が締まることにより、中型が頑強になります。中型は完成後の大仏さんと同じ大きさ、容貌をしています。
鋳型を作る
次に、粘土を中型に密着させ、鋳型(A)を作ります。この後、鋳型はいったん外します。くっついて取れなくなるとこまるので、紙や雲母を挟む、若しくは他の手段が講じられたようです。
鋳型を外し、中型を削る
鋳型(A)を外し、表面を火であぶり、硬めます。次に、銅を流す隙間を作るため、中型の(B)の部分を削ります。
型持(かたじ)をはめ、銅を流す
削った中型に鋳型(A)を付けます。間には型持(C)をいれます。大きさは約12センチ四方で厚さは約3センチです。これにより、隙間を均等に確保します。その後、溶かした銅を隙間に流し込みます。
これらを8回行う
『東大寺要録』によると、「大仏殿碑文」には”三箇年八ヶ度”と記載されています。以上の作業は8回に分けて行われました。これは、大仏さんの背が高く、一度にはできないからです。最後に頭のてっぺんまで銅を流し込んで、大仏さんの形になります。この後、台座を同様の方法で作成し、やすりやたがねを駆使して表面の凹凸を滑らかにし、台座には先ほどの彫刻を施します。
仕上げ
仕上げに螺髪(ぽつぽつした髪の毛のこと)をつけます。奈良時代に建立されたときは、996個ありましたが、現在の大仏さんにはもともと492個の螺髪がついていましたが、内9個は脱落し、現在は483個残っています。
表面には金を塗ります。金と水銀を混ぜたものを塗り、加熱します。すると、水銀が蒸発し、金が残ります。これにより、水銀中毒が誘発されました。一説には、平城京の土壌の汚染が長岡京への遷都につながったともいわれています。
東大寺基本情報
東大寺へのアクセス
近鉄奈良駅から徒歩約20分、JR奈良駅より徒歩約30分。
途中、シカさんと遊んでいるともっと時間がかかります。
お待ちしてま~す!