杮葺屋根の改修工事
概説
かねてから計画されていた通り、2020年9月1日より、金閣寺では舎利殿(写真に写っている金色の建物の名称)の杮葺(こけらぶき)屋根の葺き替え工事がはじまりました。直近の大改修は1987年、舎利殿の金箔の張替え、漆の塗り替え、天井画と一層部分(一階のこと)に安置される、足利義光像の修理が行われました。屋根の葺き替えは2003年に行われ、今回は17年ぶりの工事となります。尚、以前と異なり、金閣寺前バス停は利用できませんので、龍安寺、仁和寺方面に行かれるかたはこちらをご覧下さい。
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12月19日足場が撤去されました
本日、足場が収去され、約3ヶ月ぶりに舎利殿の姿を目にすることができます。合掌。
尚、本年は舎利殿とともに紅葉を愛でることができませんでした。以下のリンクとビデオでお楽しみ頂ければ幸いです。
以下、大事なとこだ。刮目してくれ。
現在、金閣寺道バス停に於いて、勝手に案内をしている人物がおり、暴言や身体に接触するなどの行為が報告されているとのことです。(その旨バス停に記載あり)当該人物は京都市交通局とはなんら関係はなく、交通局も京都府警と連携を図りつつ、改善を促しているそうですが、のれんに腕押しということです。ハイシーズンなど混雑時には京都市交通局の職員の方や、(おそらく)委託を受けた方が案内等をされていることがありますが、職員の方は緑色の制服(運転手さんと同じ服装)、委託を受けられた方々も交通局関係者とわかる服装をされています。
委託の人は蛍光色のチョッキなんかを着てはるよ(夏)。腕章やIDカードもしてはるよ。
尚、金閣寺道バス停から北に行ったところに交番がありあます。
12月の工事の様子
12月12日
現在、屋根の葺き替え自体は終了し、足場の収去作業が続いています。
3ヶ月ぶりに舎利殿が見えるぜ。
12月5日
本日は全面の一部が開放されており、正面から舎利殿の一部を垣間見ることができました。三層目の「究竟頂(くっきょうちょう。究極の意)」の扁額やニワトリさんが見えます。
鳳凰だべ。適当なことを言うんじゃねえ。
鳳凰については、ヘビ文字版でよければここをクリックしてね。
金閣寺舎利殿は北山殿という足利義満の居所でしたが、この扁額と鳳凰像は当時から残るものです。(取り外されていたため火災を逃れています。)この鳳凰は瑞祥とされております所、昨日早朝、舞台が完成した清水寺に参拝しましたところ、瑞祥が認められましたのでよろしければ、こちらをご参照ください。
参道の工事は終了し、コンクリート敷きになっています。ところで、ご覧のような鉄骨がありました。なにか始まるんでしょうか。
今年の紅葉は残念なところが多かったように思いますが、金閣寺は綺麗なものがまだ残っていました。
11月の工事の様子
11月28日
引き続き舎利殿の様子に変化はありませんが、現在は正面からみて右側のシートが一部開いています。紅葉はすでに終わりかけています。今年は所謂外れ年に当たり、興臨院などの一部を除き残念な結果になっていました。清水寺の工事は残すところあと5日ですが、金閣寺の工事は年末まで続きます。
11月18日
現在も舎利殿自体はご覧のようにシートに覆われています。現在、金閣寺の紅葉は5分程度です。工事前の紅葉時はこんな塩梅でした。
11月1日
数時間後に検証してまいります。夜に更新予定です。しばらくお待ちください。
二週間前とは異なり前面部もシートで覆われており、舎利殿をみることはできません。本日は裏側の一部のシートが除去されていましたが、一時的なものなのか否かはわかりません。しかし乍ら、舎利殿周囲の柵の上には工事の様子を紹介する写真が展示されています。参道も以前工事中です。紅葉がいい塩梅で進んでいました。例年ですと、舎利殿に目を奪われますが、今年は境内の紅葉の美しさを再認識する運びとなります。
こういう愛で方も今年だけだな。
金閣寺については金閣寺総合ガイドを参照してみてね。ヘビ文字版も作ってあるよ。
こっちもヘビ文字だ
杮葺とは? 檜皮葺との違い
概要
杮葺とは、屋根を葺く日本の伝統的工法です。薄い木の板を幾重にも重ねて屋根を形成するもので、多くの社寺で目にすることができます。素材には杉や檜などの薄板が用いられます。杮とは木片を意味します。杮落しは杮葺の屋根を葺いたあと、木くずを落として屋根を完成させたことに由来します。杮(こけら)は柿(かき)に似て舞いますが、よく見ると違います。
杮(こけら) 柿(かき)
葺き方
金閣寺では椹(さわら)の木が用いられています。まずは丸太を30センチ程度の輪切りにします。輪切りにすると、◎こんな塩梅になっています。真ん中が濃く、その縁は薄い色をしています。縁の部分は耐水性に優れないため、使いません。
真ん中の濃い部分はケーキのように切り、これをさらに柾目に切り、板を作ります。(板に縦線ができる。)これをミカン切りといいます。
分かりにくいから、オレが簡単に説明するぜ。濃い部分を切るとショートケーキみてえな形になんべ?そのショートケーキをジャイアンがのび太以下各人のケーキを切るときみてえに薄く切るんだ。思い出してみろ。のび太のケーキは板みてーになってんべ?
この板は厚さ約2~3ミリの板で、概ね3センチほどずつずらして竹の釘で打ち付けられます。檜皮葺では樹皮を同様に打ち付けます。
金閣寺についてみますと、工事前の屋根はこのようになっていました。杮が所々はがれそうになっているのがお分かりいただけるかと思います。(写真はクリックで拡大できます。)
この杮の部分を剥がすと、屋根はすのこ状になっています。
ここに新たに杮を打ち付けていきます。
ニワトリは屋根にのせたまま屋根だけ張り替えます。
適当なことをいうな。鳳凰だべ。
鳳凰については、ヘビ文字でよければ以下のリンクを参照してね。
檜皮葺はこんな感じで作んだけどよー、檜の皮が木の板になったと思って見て、杮葺に変換してくれ。
これに対し、清水寺の屋根などに見られる檜皮葺では、檜の樹皮が用いられます。両者とも外見はほぼ同じなので、区別がつきにくいかと思います。
おそらく、間近で見ないとわかりません。
杮葺も檜皮葺も、板や樹皮の薄さ故、湾曲させることができます。(写真は杮葺の銀閣寺観音殿)
杮葺の屋根は程度がいいもので約40年ほどもつといわれます。これは檜皮葺きもほぼ同じですが、檜皮葺は檜を伐採せずに、樹皮を剥がすだけです。これに対し、杮葺きは木の板を用いますので、木を伐採しなければなりません。さらに節がある板は使えないなどの事情も相俟って、木材の確保が問題になります。これは杮葺に限ったことではなく、我々の今後の課題となります。
例えばよー、清水寺の舞台の柱はぶってー欅を使ってんだ。しかもよー、欅は杉は檜みてえにまっすぐに生える木じゃねーんだ。柱はあと400年くらいしかもたねえ。だから2000年に400年後に備えて植樹したんだ。詳しくは舞台の話を参照してみてくれ。木ってのはオレたちの生活と切り離せねーからよー、大事にしないといけねーぜ。
10月の工事の様子
10月13日
外から見える範囲に変化はありません。写真の右側の所に杮葺の模型が置かれています。檜皮葺とは異なり、鉄の釘でうちつけてあります。
10月2日
9月と同様の外観ですので、おそらく、この状態で作業が進められると思われます。正面の隙間から、一層法水院(ほっすいいん)の内部に存置される宝冠釈迦如来座像を垣間見ることができます。
杮葺の屋根の工事ですが、現在、葺いた部分が外され、一番したのすのこ状の部分が露出しています。
9月の工事の様子
9月25日
足場が完成し、側面はシートで覆われています。一部覆われていないところがあり、そこから、法水院(ほっすいいん。一階部分の名称)の内部と宝冠釈迦如来像、足利義満像を垣間見ることができます。平日のため、訪れる人はほとんどいませんでした。尚、現在、参道入口には重機が置かれていて、通れないように見えますが、通路は確保されています。
今日は絵葉書はもらえなかったぜ
9月20日
足場が舎利殿を覆っています。恐らく来週末くらいにはシートで覆われるでしょう。次に舎利殿を目にすることができるのは12月付近ですので、ご覧になりたい方は急がれるとよいでしょう。先週に引き続き絵葉書がもらえます。
雪の金閣寺が見たい人はここだよ。
9月13日
一週間前に比べ、足場がさらに組まれています。現在では舎利殿はほぼ完全に覆われています。
写真は屋根の葺き替え工事が行われていた時の清水寺ですが、他のお寺でも、工事の時は同じようにシートで覆われていますので、恐らく、この後屋根部分がつけられ、最終的にはシートで覆われるかと思われます。
入り口では最新の工事の様子の写真があり、警備の人が現在工事中であること、一旦入った後は、拝観料の返金はできないことなどを説明してくれます。
ただし、このように引き延ばした写真がありますので、工事前の様子もご覧になることができます。
いろいろ気がきいてるな。今日なんか絵葉書がもらえたぜ。
恐らく今月中には舎利殿は見えなくなるんじゃないかな。
9月5日
(ビデオは9月5日撮影)
現在はご覧のように、舎利殿に足場が組まれています。今後、3階部分の屋根の葺き替えを行うべく、足場が延長されるものと推認されます。工事自体はまだ始まっていません。
3階?2階じゃねえのか?
金閣寺は3階建てやけど、1階部分には屋根がないんやで。
舎利殿
先ほども触れましたが、所謂金閣寺は舎利殿と言います。
一層(一階部分のこと)は法水院(ほっすいいん)と呼ばれ、寝殿造になっていて、足利義光公の像や宝冠釈迦像などが祀られます。
二層は潮音洞(ちょうおんどう)武家造りになっていて、(岩屋)観音菩薩像、四天王像を祀ります。
三層は究竟頂(くっきょうちょう)と呼ばれ、禅宗仏殿造りになっていて、仏舎利が祀られています。
舎利殿の中には入れません。
屋根があるのは二層と三層の部分です。屋根の上には鳳凰を抱きます。
この鳳凰像と御小松天皇御宸筆の扁額だけが、当時取り外されていたため、1950年の放火を逃れました。
金閣寺とは?
臨済宗相国寺の境外塔頭寺院で、室町幕府三代将軍、足利義満により建立されました。金閣寺義満の死後、鹿苑院太上天皇(ろくおんいんだいじょうてんのう)という諱に基づき、「鹿苑寺」と名付けられました。応仁の乱や神仏分離令などで、打撃を受け、1950年には学僧の放火により、全焼しました。この時国宝指定を解除され、未だに国宝にはなっていません。
しかしながら、金閣寺(舎利殿と庭園)は北山文化を代表する建築であることなどから、1994年に、世界遺産に登録されました。
金閣寺基本情報
金閣寺のアクセス
市バス12、59、101、204、205系統で金閣寺道バス停で下車。
詳しくまとめたぜ。参照してみてくれ。混むから朝一でいくのが肝要だ。9時開門だ。
なお、金閣寺から龍安寺・仁和寺方面へのアクセスは以前とことなります。詳細は以下のリンクを御参照ください。