護王神社の初詣2019 概観
2019年の干支は亥です。そこで、本日は境内がイノシシでいっぱいの京都の護王神社(ごおうじんじゃ)の初詣をご紹介します。本題に入る前に、概要を簡潔にまとめてみます。
- イノシシは護王神社のご祭神に関する伝説と関係がある。
- 護王神社のご祭神は和気清麻呂公である。清麻呂公は道鏡の皇位に就かんとするくわだてから皇統を守った貴族であり、平安京遷都の際にも活躍した。
- 道鏡は清麻呂公を奈良の都から追放し、刺客を放ったが、猪300頭が清麻呂公を助けた。この時、清麻呂公の足が平癒したので、足腰の健康にご利益がある。
- このように猪と縁が深いので、境内には狛猪、いのししコレクションなどイノシシさんがいたるところにいる。
- 毎年、拝殿に大きな絵馬が掲げられる。
- 元旦から6日まで、本物のイノシシさんに会える。
- 座立亥串(くらたていぐし)という特殊な祈願法がある。
護王神社とイノシシ
和気清麻呂公とイノシシ
なぜ護王神社にたくさんのイノシシ(霊猪。れいちょ)がいるかと申しますと、ご祭神の和気清麻呂公と関係があります。
和気清麻呂公とは奈良時代から平安時代に存命した貴族です。奈良時代の769年、大宰府神主が「道鏡(孝謙天皇に寵愛を受けていた僧侶)が皇位につけば天下泰平となる」宇佐八幡宮のご神託があった旨、奏上します。ここの真意を確かめるべく、和気清麻呂公は勅使として宇佐八幡宮に向かいます。その後、和気清麻呂公は都に帰り、道鏡を皇位につけるべきではないとの神託があった旨奏上します。道鏡はこれに激怒し、和気清麻呂公を大隈国に流します。この途中、足腰が弱って立てなかった和気清麻呂公は輿に乗って八幡神を参拝しようと宇佐八幡宮を目指します、この時、道鏡が送った刺客が、足腰が弱って立てなかった和気清麻呂公の命を狙います。この時、どこからともなく300頭の猪が現れ、和気清麻呂を守り宇佐八幡宮へと導き、参拝の後、清麻呂公はの足はすっかり治っていたとの伝説が『日本後紀』にあります。この伝説にちなみ、護王神社とイノシシには深いご縁があります。
その後、道鏡が後ろ盾を失うと和気清麻呂公は都にもどり官職に復帰し、平安京遷都に際しても活躍します。江戸時代には孝明天皇により、護王大明神の神号を賜ります。
なぜ護王神社に和気清麻呂公が祀られているのか
次に、なぜ護王神社に和気清麻呂公が祀られているのを開設します。護王神社はもともとは護王善神と呼ばれる清麻呂公の霊廟でした。この霊廟は和気氏の氏寺である神護寺の境内にありました。これが明治時代に護王神社という神社に改められます。1866年には皇統を守った功績から、明治天皇の勅命により、蛤御門付近の現在の地に遷座されました。
護王神社のご利益
足腰の健康・病気の平癒
先ほど申し上げました、清麻呂公が宇佐八幡宮に参拝したところ、足が治癒したとの言い伝えから、足腰の健康のご利益が顕著です。境内には、足腰の平癒を祈願した絵馬がたくさん奉納されています。中にはスポーツ選手の必勝祈願がなされたものもあります。
厄除け
清麻呂公が我が国の国難を守ったことから、各種厄除けのご利益があります。
子育て・子供の成長
護王神社では、本殿に向かって左側に、和気清麻呂公の姉、和気広虫姫が祀られています。広虫姫は我が国で最初の孤児院を作った方です。このことから、子育てや子供の成長に関するご利益があります。広虫姫はご存知ない方も多いかと思いますが、時代祭にも登場します。
喘息封じ
境内には京都の名木百選にも選ばれたご神木のかりんの木があります。かりんは喘息や咳を封じる効能があります。かりん飴やお神酒を分けていただくこともできます。
幸運の霊猪
正門をくぐってすぐ右にある手水舎では、猪の口から手水が出てきます。この猪の鼻をなでると幸せになれる、または、再びその場所に帰ってくることができるといわれます。
なお、本殿むかって右側にも手水舎があり、ここにもイノシシさんがいます。
お正月限定のみどころ
大絵馬
例年、12月になると、舞殿にその年の干支が描かれた絵馬がかけられます。2018年12月25現在、すでに来年の干支たるいのししの絵馬がかけられています。
ミニ干支絵馬
元旦は先着千名の方にミニ干支絵馬が進呈されます。
イノシシふれあいコーナー
1月11日から14日まで、護王神社にイノシシさんがやってきます。散歩や輪くぐりなどの芸を披露してくれます。写真は幸運を呼ぶ白いのししのかりんちゃん。
新年特別祈祷
元旦~7日までに受けられた方には神杯とミニ干支絵馬が進呈されます。普段の祈祷料は5,000円もしくは10,000円なのでこれに準じるかと思います。
その他お正月の情報は護王神社公式ホームページお正月情報を参照してくださいどすえ。
平生のみどころ
狛いのしし
護王神社では、イノシシが清麻呂公をお守りした逸話から、狛犬の代わりに鳥居の中と外にそれぞれ狛いのしし(霊猪像)がおかれています。雌雄一対になっています。
座立亥串(くらたていぐし)
本殿向かって左側に、は招魂樹(おがたまのき)という木があります。この根本に座立亥串と呼ばれるものを差し、所願を祈願します。名前と願い事を書いた紙をイノシシと御幣をはさんだ串に挟みます。一対になっていて、一方は自宅に持ち帰り、神棚などに祀ります。
拡大するとこのようになります。右に氏名、左に願意を記入します。初穂料1,000円。
いのししコレクション
全国から奉納されたいのししグッズが休憩所などに展示されています。総数約3,000点。
ブタさんが好きなオレにとっては聖地だぜ
飛翔親子猪
座立亥串のさらに左側、祈願殿の左にチェーンソーで作られた親子猪の彫刻があります。
なでいのしし
飛翔親子猪の左となりにあります。なでてご利益に与ります。
さざれ石
君が代にでてくるさざれ石があります。さざれ石とは小さな複数の石が集まってできた石のことです。
お正月の授与品
足腰の神札・お札
各種初穂料1,000円から。
御神矢
守護矢は初穂料1,500円、鏑矢は2,500円。
巨大霊猪お守り
写真の霊著お守りは普通のサイズで高さ約7センチほどですが、巨大霊猪お守りは外観は同じですが、高さは約30センチほどあります。初穂料10,000円。
ききそうだね
その他お守り
初穂料は700円から。1,000~1,200円が一番多い価格帯です。
足腰のお守り、霊猪お守り、子ども守りなどが初穂料1,000円、少し小ぶりな足のお守り、腰のお守りが700円。珍しいものとして、就職などにご利益がある官職守り、離職などを防ぐ職難お守りがあります。それぞれ初穂料1,000円。
かりん酒
300ml は初穂料1,000円、720mlは2,000円。いのししの容器に入った限定版(100個のみ)は1,200円。
土鈴など
初穂料500円から。狛いのししのレプリカは1,000円。
おみくじ
初穂料200円。
御朱印
一部300円。
スタンプ
無料のスタンプもあります。専用の台紙がおいてあります。(写真は台紙ではありません。)
お正月の参拝時間・トイレ
大晦日は閉門せず元旦まで空いています。ただし、社務所は31日午後6時から10時までは休止されます。トイレは社務所の奥にあります。あたらしくできたものなので、とてもきれいです。
アクセス・駐車場の利用方法
アクセス
京都市営地下鉄丸太町駅2番出入口より、徒歩約5分。バスもありますが本数が少ないうえ、混むので地下鉄の利用がおすすめです。
駐車場
駐車場は地図上Pマークのところにあり、普段は15台止められます。また、塀沿いに何台か駐車スペースがありますが、ここはお正月の期間は使えなかった記憶があります。(確信は持てませんので参考までにとどめおきください。ただし、お正月は道が混雑するので、地下鉄の利用をおすすめします。
お正月期間中は以下の通り
護王神社基本情報
- 住所 〒602-8011京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
- 電話 075-441-5458
- 公式サイト