五重塔の役割
五重塔の原型はストゥーパと呼ばれる、仏舎利を収める場所でした。仏舎利とは、釈迦入滅後、遺灰などを収めていた塚のことです。この塚に傘を幾重にもさしていくようになります。これを模したものが屋根の上にある相輪です。これが日本に伝播すると、三重や五重塔になりました。仏舎利は心柱の下に収めてあります。東寺には弘法大師が中国から仏舎利をもたらし、後醍醐天皇や足利義光が奉請を受けています。
シカさん
「奉請を受けた」っていうのは、頼んで分けてもらったっていう意味だよ。
ただし、仏舎利には数に限りがありますので、多くの場合は宝石などの代替せしめています。
五重塔の歴史
現在の五重の塔が建てられたのは、先ほども申し上げましたように、五代目で、1644年(寛永二十一年)に三代将軍、徳川家光の寄進により建立されました。以来376年間、その姿を留めており、歴代の中では最長寿です。高さは54.8メートル、日本一高い木造の塔です。以下歴代の五重の塔を概観します。
- 初代は883年頃に完成したとされていますが、1055年に落雷により焼失します。
- 二代目は1068年に完成しますが、1270年に原因不明の出火により焼失します。
- 三代目は1293年に完成します。この時は後醍醐天皇により落慶法要が行われ、足利尊氏、新田義貞などが参列しています。その後、1563年に焼失します。
- 四代目は1593年に完成しますが、1638年に焼失します。
七里ヶ浜親方
江戸時代には、強風で傾いたことがあるらしいぜ。その時は傾いた反対側に穴を掘って垂直にしたんだ。そん時の穴に水が溜まってできたのが瓢箪池だ。
東寺基本情報
東寺へのアクセス
市バス: 東寺東門前、若しくは東寺道バス停
JR西日本: 京都駅
近鉄: 東寺駅