祇園えべっさん 概要
- 2025年も開催予定
- えべっさん a.k.a. 恵比寿さんには、商売繁盛・五穀豊穣のご利益がある。
- 関西では、毎年一月に、十日戎(えびす)という商売繁盛・家内安全を祈願するお祭りが行われる。これは当日がえべっさんの誕生日だから。
- 日本三大えびす神社の一つ、京都ゑびす神社があり、例年大勢の人が訪れるが、本記事が取り上げるのはこの神社のことではなく、八坂神社にある北向蛭子社である。
- 1月9日にはえびす船巡行が行われ、八坂神社から四条烏丸までの間を蛭子船往復する。途中、冠者殿社並びに長刀鉾の会所を経由する。
- 巡行には福娘が同行し、商店街の人に福笹を授与する。
- 期間中、福笹の授与を受けることができる。福笹には縁起物をつける。各縁起物の由来は後程述べる。
- 期間中、限定の御朱印並びにお札がある。
- 昨年の三社詣御朱印は一日800部限定、初穂料300円。
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この記事は英語版があります。
2025年の日程
9日(木) | 10日(金) | |
蛭子社授与所 | 10:00~18:00 | 10:00~18:00 |
三社御朱印 | 10:00~なくなり次第終了 | 10:00~なくなり次第終了 |
例年、福笹や縁起物の授与所は北向蛭子社前に設けられますが、直近2年はは蛭子社向かって右側に移動していました。
御朱印は書置きのものとなります。初穂料は300円です。御朱印左上には、「祈 疫病退散」、各印下にはそれぞれ、「祝 国宝」、「祝 重要文化財」と記載されています。これらは、御祭神たる素戔嗚尊(牛頭天王)のご利益、並びに、2020年12月に御本殿等が国宝・重要文化財に指定されたことに鑑みます。詳細は以下のリンクをご参照頂ければ幸いに存じます。
2023年は一日800部限定でした。1月9日午後2時頃ですでに終了していました。早めに行かれることをお勧めします。
祇園えべっさんとは?
八坂神社のえべっさんとは八坂神社の摂社の「北向蛭子社」に祀られている、事代主命(ことしろぬしのみこと)のことです。えべっさんとは「えびすさん」が口語になったものです。
この北向蛭子社の歴史は古く、創建は1646年で国の重要文化財に指定されています。「北向」とあるように、神社では珍しく、北の方角を向いています。(通常は南か西向き)
日本三大えびす神社の一つ、大阪の今宮戎神社は八坂神社の氏子が今宮に移ったときにえべっさんを祀ったことに始まるそうです。(八坂神社ホームページより)まずはビデオをごらんください。
祇園のえべっさん
祇園のえべっさんとは毎年1月9、10日に行われるお祭りです。今年は休日との関連からか、8日も行われます。9日にはえびす船巡行、10日には蛭子祭が行われます。(えべっさんが1月10日生まれとされるため)期間中は「商売繁盛の笹持ってこ〜い」の掛け声が境内に響きます。
また、期間中は福笹の授与が行われ、この福笹に縁起ものをつけ、神棚などに供えます。なぜ笹かというと、常緑で生命力が感じられるから、えべっさんが竹の釣竿を持っているから、まっすぐで節目正しいから、などの理由で、商売繁盛・家内安全・開運などのご利益と結びついているようです。
同時に三社詣も行われます。これは素盞嗚尊を祀る本殿(厄除)、素盞嗚尊の孫神の大国主命を祀る大国主社(良縁・家内安全)、大国主命の御子神のえべっさんを祀る北向蛭子社(商売繁盛・家内安全・開運招福)を合わせて参拝することで、御神徳にあやかるお参りです。期間中は三社の御朱印とお札が授与されます。(右は実物の御朱印)この時限定です。大国主社では巫女さんが打出の小槌を、北向蛭子社では鈴を振ってくれます。
ご本殿、大国主社のものがいただけ、打ち出の小槌もここで振ってもらえます。
縁起物解説
せっかくですので、なんとなくわかったような気がしているけど実はよくわからない、縁起物のいわれについてご紹介します。福笹は初穂料1000円
- 俵 お金を貯めて積み上げる 初穂料1000円
- 箕(み)お金をかき集める。初穂料1000円
- 巾着 お金をいれて出さない。初穂料1000円
- 松竹梅 家族が健康に過ごすことができる。初穂料1000円
- さいころ よい目がでて勝負に勝つ。初穂料1000円
- 絵馬 宝船がお金を運んできてくれる。初穂料500円
- 小槌 大金が舞い込んでくる。初穂料500円
- 鯛 めでたい。初穂料500円
- 小判 現金が入ってくる。初穂料 百万両1000円、千万両1500円
- 大福帳 お客さんとの取引がどんどん増える。初穂料500円
- 千両箱 お金がたまる。初穂料500円
- 蔵 お金がたまる。初穂料500円
もうこっちのもんだべ
えびす船巡行 1月9日
えびす船巡行とは、えびす船(宝船)に乗った七福神が八坂神社から出発し、四条烏丸引き返し、再び八坂神社に戻ってくる行事です。全行程約2時間。午後3時に八坂神社石段前を出発し、午後5時頃に帰ってきます。途中、福娘が商店街の人たちに福笹を届けます。
出発前に北向蛭子社でお祓いをします。
えびす船が石段前を出発。
巡行の構成は、まず、幟を持った人、福娘が先陣を切ります。
次に、えべっさんが続きます。
上のえべっさんは普段は北向蛭子社の前に「ふれあいえびす像」として座ってはります。この「ふれあいえびす像」はえべっさんを身近に感じられるように、との目的で設置されていて、普段は撫でてご利益に与ることができます。
その後、えびす船が続きます。
巡行と並行して、福娘が福笹を商店街の方に渡します。
この後、神社の人が冠者殿社(祇園祭でお神輿を存置する御旅所の隣。素盞嗚尊が荒魂が祀られている)と長刀鉾の会所(長刀鉾の保存会がある場所。素盞嗚尊の和魂が祀られている。)に参拝します。
最後に一行は本殿前で参拝し、
その後、感謝状の授与式が行われます。
この後、えべっさんはいつもの場所に戻ります。
重そうですが、大人が一人で持ち上げられます。
えべっさんと七福神のご利益
えべっさん(恵比寿天)
えべっさんとは、大国主命の子、事代主命で、国譲りの時、釣りをしていた(だから釣竿を持って、鯛を抱えている)ことから、海と関係する恵比寿神と同視されています。現在では漁業・商売繁盛・五穀豊穣の神様とされています。七福神の中では唯一、の日本の神様です。
大黒天
食べ物と財福の神様です。仏教の神様ですが、えべっさんの父にあたる大国主命と習合しています。
大黒天につきましては、以下のリンクをご参照ください。
毘沙門天
こちらも仏教の神様です。平安末期にえべっさんの本地されたことから福の神とされます。勝負事の神様でもあり、上杉謙信が厚く信仰していたことで有名ですね。
弁財天
音楽や財福の神様です。市杵島姫命と習合しています。市杵島姫命は八坂神社の境内の美御前社(うつくしごぜんしゃ)、厳島社に祀られています。
福禄寿
道教で南極の化身とされる神様です。長い頭をしています。子宝、延命長寿、立身出世などのご利益があります。
寿老人
こちらも道教で南極の化身とされる神様です。延命長寿、家庭円満、福徳、智慧などのご利益があります。
布袋
唐の時代の禅僧がモデルになっている神様です。持っている袋から福を出して、分けてくれます。
八坂神社へのアクセス
市バス祇園バス停から徒歩1分。利用できる系統は100、203、206系統など。
ただし、京都駅からのバスは大混雑しますので、鉄道の利用を推奨します。
最寄り駅は京阪祇園四条駅、阪急河原町駅です。奈良線で東福寺に行き、京阪に乗り換えるか、地下鉄で烏丸まで行き、阪急に乗り換えるのが得策です。
祇園四条駅・河原町駅から八坂神社までは徒歩約5分程度です。