概説
奈良の東大寺と興福寺から一字ずつとって命名された、臨済宗東福寺派の大本山です。三門は現存する最古のもので国宝になっています。室町時代に境内の桜をすべて伐採し、楓を植えたと伝えられます。
橋からの眺めが人気の東福寺の紅葉ですが、みどころやたのしむための注意点がいくつかございますので、最初に箇条書きで列挙し、後程詳細にご紹介します。
- 有名な橋からの眺めは一面真っ赤に見えるわけではない。
- 橋は二つあり、いずれも橋上からの撮影は近年禁止される場合がある。橋のうち一つは、東福寺の中に入らなくても行くことができる。
- 雑誌などで目にする橋からの眺めは、洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれる谷である。この谷に行くことができる。人気の割には、すんなり入れるが、中が混んでいるので出てくるのに時間がかかる。
- 紅葉の見頃の時期が永観堂などの市内中心部に比べ、若干遅い。(11月半ば~後半くらい)
- 見頃は例年11月後半だが、2024年は一週間から10日ほど遅れ気味。
進捗状況は以下を参照してくれ。
橋から見る洗玉澗
東福寺で拝観できる場所は二か所あります。通天橋・開山堂と本坊庭園です。通天橋・開山堂とは先ほどご紹介しました、洗玉澗を通りぬけ、開山堂を拝観するルートです。地図上のネコマークのところが入口で、緑の線に沿って進んでいきます。
他方、本坊庭園とは東福寺の本坊とこれに面する庭園を拝観するルートです。青いタコのところが入口です。それでは早速見ていきましょう。
洗玉澗
まず、この洗玉澗を橋から御覧になりたいかと思います。実は橋は二つあります。先ほどの地図上の青い宇宙人と赤い宇宙人のところにそれぞれ橋があります。
青い宇宙人マークの橋は臥雲橋(がうんきょう)といいます。ここは道路(私道)になっているので、だれでも通ることができます。警備の方がいて、撮影しようとすると制止され場合があります。写真の奥に見えるのが赤い宇宙人マークの通天橋です。
反対に、こちらは通天橋からみた臥雲橋です。ここでも撮影しようとすると、お寺の人に制止されます。紅葉がたくさん見える場所が、洗玉澗です。おそらくここからの景色が馴染み深いのではないでしょうか。
参考までに、橋の上はこんな風になっています。
雑誌などで見ると全体がこのような明確な赤い色をしているように見えるかもしれませんが、実際は上の写真で御覧いただいたように、オレンジなどが混じっています。市内ではこうした明確な赤が楽しめると期待されているかもしれませんが、このように明確な発色を確認できる場所は限られています。(上の写真は寂光院)まして、視界に入るすべてが真っ赤をいうところは、私はみたことがありません。あまり過度な期待はなさらないほうがよろしいかもしれません。ただし、次にご紹介しますが、オレンジなど、他の色十分きれいなので、ご安心ください。
通天橋・開山堂ルート
地図上のネコマークのところが入口です。ここは結構すんなり入れます。入った後は、洗玉澗の中を通り抜けていきますが、この時通る道(地図上の緑の線)がとても狭く、人でいっぱいなので、いったん入ると出てくるのに時間がかかります。あまりに時間がかかりそうでしたら、緑の宇宙人マークのところで開山堂へ向かわずに、通天橋を渡って出口に向かうこともできます。開山堂へ行くなら、約1時間はみておいたほうがよいでしょう。ネコマークのとなりにある本来の入口が出口になっています。
洗玉澗の付近ですが、このようにきれいな赤を楽しむことができます。
ほかにも緑や黄色オレンジなど多彩です。緑を同時に見ることができるというのが特色です。(緑を同時に見ることができる場所も限られています。)
二つの橋の間には川が流れています。間近でみるとオレンジ色の葉が本当にきれいです。おすすめは、写真のようにある程度散り始めている雨の日です。濡れた葉が瑞々しく映ります。
本坊庭園
本坊には四方に重森三玲作の庭園があります。これは南庭で、八相の庭といいます。八相とは八相成道のことで、釈迦の生涯に起きた重要な八つの出来事を表したものです。
西庭はさつきの刈込があります。ここからも紅葉はあまり見えませんが、この先に通天大という舞台があり、そこから今度は通天橋をみることができます。
これが通天台からみた通天橋です。ここからの撮影は自由です。
北庭はグラデーションが楽しめます。苔の上に散った紅葉がきれいです。
東庭でも紅葉が楽しめます。
実はもう一つ橋が、、
東福寺の塔頭の龍吟庵というお寺に行く途中の偃月橋(えんげつきょう)という橋がありますので、そこに行かれても良いでしょう。(地図上紫の宇宙人マーク)
東福寺の紅葉の見頃予想
今年は遅い
おおむね例年11月の20日すぎくらいから見ごろにはいる感じです。永観堂などしない中心部ですと、東福寺より約5日くらい早い印象です。ですから、おそらく、永観堂のいいときと東福寺のいいときを同時にみるのは難しいのではないかと思います。となると、他の場所との兼ね合いが気になります。市内でも遅めに紅葉するところは、興臨院、竜安寺、東寺、すぐ近くの光明院などです。以下のおすすめコースやランキングをご参照頂き、今秋のご計画の参考にしていただければ幸いです。
橋からの紅葉でしたら、東福寺の塔頭の龍吟庵というお寺に行く途中の偃月橋(えんげつきょう)という橋がありますので、そこに行かれても良いでしょう。
東福寺基本情報
東福寺へのアクセス
JR/京阪東福寺駅から徒歩約10分。