概説
2019年10月25日より、京都・祇園に撮影禁止エリアが設けられ、私道に於ける無許可の撮影が禁ぜらるるとともに、右の行為に関し1万円申しうけるとの決定が、自治組織たる祇園町南側地区協議会、京都市、東山警察署などによるキャンペーンの一環としてなされました。
これに伴い、現在、「祇園」内には以下のような看板(カメラとスマートフォンの絵が描いてある)やシールがいたるところにあります。
上記の看板上部に、「私道での撮影禁止 No photography on private road 私家道路禁止拍〇(判読できません)」、下部に、「許可のない撮影は一万円申し受けます Fine up to ¥10,000 without photo permit (この後中国語でおそらく同じ内容がかかれていますが、入力できません)」と記載されています。
同日より約一か月ほど経過しましたので、この看板の趣旨、撮影禁止エリアの範囲など、以下、考察してみます。
看板つーか高札だべ、どう見てもよー。
趣旨
昨今、オーバーツーリズムの弊害が取り沙汰されますが、京都も無縁ではありません。所謂、「祇園」も観光地ではないもかかわらず、なぜか、観光客の方が訪れます。これは近隣に八坂神社、清水寺、建仁寺、高台寺など観光ガイドに乗っているような場所が散在していること、また、比較的古い町並みが残っていること、また、花街故、芸/舞妓の方を目にすることができるという事実に依ると考えられます。すなわち、京都、並びに我が国に対するnaïve な憧憬を満たすには十分な要素が揃っているためと考えられます。
以前はそのようなことはなかったのですが、近年、これらの方々の内、心無い方々の以下のような行為を多々目にするようになりました。
- 私有地に勝手に入り、勝手に記念撮影。
- 店構えの前で勝手に記念撮影。その際、提灯やのれんなど、他人の所有物に手を触れるなどする。
- 芸/舞妓さんを許諾を得ずに勝手に撮影。その際、抱き着く、腕を引っ張る、強引にツーショット撮影を試みる、たばこを着衣の中に入れるなど、傍若無人なふるまいをする。
- 車道にまで広がって歩き、車が来てるのに道路の真ん中で勝手に撮影を強行する。
- その他一切のuncivilizedな行為をする。
これらの行為により、近隣の静謐、並びにプライバシーが侵害される事態を招来されます。右に鑑み、これらを一掃すべく、撮影禁止という措置が取られたようです。
花街はこっそりと信用が大事な静かなとこだべ?
また、本規制は外国人観光客に対して課されたかのように考えられている節がありますが、上記の行為は、内外国人・年齢・性別の如何を問わず認められますので、以て嚆矢としていただければ幸いに存じます。とある寺院では、カメラのサイズで持ち込みを規制しておられますが、合理性・実行性に長け、刮目に値するのではないでしょうか。
察してくれ。みんな腹に据えかねてんだ。
祇園とはどこか
上の地図をご覧ください。赤い線で囲んだ所が住所でいう「祇園町南側」です。この内、青い線で囲んだあたりが先ほど申し上げました「naïve な憧憬」を満足せしめるような場所かと思います。
この所謂「祇園」には私道が多くあります。地図上緑色の線は「花見小路」といい、公道です。他の道が私道かどうかを確認する手段はありますが、ここでは詳らかにしません。本規制の趣旨は先ほど申し上げた通りです。とすれば、「私道での撮影」との文言は、道路の所有権の帰属主体を問題としているのではなく、「この界隈での撮影を禁ずる」という意味と解するべきだからです。
実行性はあるのか?
さて、本規制は、国民の代表機関、若しくはそれに準ずるなにかにより定められたものではないので、法的拘束力はありません。とすれば、実効性がないように見えますが、反故にしていると、そのうち、もっと大きな規制が始まりかねませんよ。
まーよー、今回みたいな直截的な表現てのはあんまりねーからなー察してくれ