点火の仕方
後程ご紹介しますが、五山のうち、登ることができるのは如意ケ嶽(大文字)のみですので、大文字を例に解説します。
いつでも登ることができるって意味だからな。察してくれ。
送り火の字や図形はそれぞれ火の点で描かれています。これらの点は火床(ひどこ)とよばれる台の上で点火されます。火床には石を雷おこしのように積み上げたものや鉄製のものもありますが、大文字では大谷石の棒を用いています。この上に赤松を井桁状にくみ上げ、松の葉を入れ、護摩木や卒塔婆を焚き上げます。
各山の解説
大文字 20:00
銀閣寺の裏手にある如意ケ嶽(大文字山)にあります。五山のなかで唯一登山可能な山です。(ただし、当日は14時頃から不可)
弘法大師を祀るお堂があります。火床の数は75基。護摩木は銀閣寺の前で受けつけています。他にも、清水寺などで受けつけています。
この大文字を盃に写して飲むと一年間無病息災でいられるとの言い伝えがあります。写真はハンディカムのモニター越しに移したものですが、ご利益に与ってください。
また、消し炭をもらってきて、半紙に包み、水引をつけ軒下につるすと盗難よけになるとの言い伝えもあります。
松ヶ崎妙法 20:05
「妙」、「法」の二文字ですが、一つとして数えます。「妙」は万灯籠山、「法」は大黒天山にあります。かつて松ヶ崎村の方々が日蓮宗に改宗されたことを契機とします。妙法は『妙法蓮華経』に由来します。火床はステンレス製。「妙」の点火に際して、読経が行われます。15・16日に麓の涌泉寺で「題目踊」「さし踊」が行われます。
船形 20:10
船山にあります。精霊船ともよばれます。西芳寺の鐘を合図に点火され、読経が行われます。終了後、同寺に於いて六斎念仏が行われます。護摩木は西芳寺の駐車場で受けつけています。
左大文字 20:15
大文字山にあります。昔は火床が確保できないため、(岩だらけだから)篝火を用いていましたが、現在ではコンクリートで雷おこしのように固めた石の火床を用いています。法音寺で点火と法要を行った後、この火を用いて点火します。護摩木は金閣寺の門前で受けつけています。
鳥居形 20:20
曼荼羅山にあります。鳥居形だけ、松明を使っています。松脂を多く含んだ「ジン」と呼ばれる部分を燃やすので、橙がかった色をしています。護摩木は八体地蔵のところで受けつけています。
バイオリンの松脂を想起してみてくれ
なんとなく明るいよね
以前の様子
嵐山から大文字と鳥居形をお楽しみ下さい。合掌
コロナ
令和二年、同三年年(2020、2021)は密接を回避するため、規模を大幅に縮小した上で行われることとなりました。太平洋戦争時の1943~45年の間に中断した後、1948年以降、五山が揃って縮小するのは初とのことです。点火は上の写真の丸で囲んだ部分のみでした、離れたところからはほとんど目視できなかったのではないでしょうか。
今年も無事御帰りいただきました。合掌。近すぎて下の二点は映せませんでした。