梅
菅原道真が太宰府に左遷されるとき、「東風吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」と、自宅の梅との惜別の歌を詠みましたが、この梅は一夜にして、太宰府に道真を慕って飛んで行ったという伝説(飛梅伝説)があります。この伝説にちなみ、境内には約50種、1500本の梅が植えられています。
その飛んで行った梅というのが、上の写真に写っている梅です。本殿向かって左側にあります。飛んで行った梅は、現在、福岡の太宰府天満宮に植えられています。
また、同様にこの伝説にちなみ、北野天満宮の神紋も梅の花になっています。菅原道真公の命日の2月25日には梅花祭が行われます。
この梅は生命力が強いのか、他の梅が散ったあとでもしばらく咲き続けています。
太閤井戸
豊臣秀吉が九州平定後、聚楽第造営とともに自己の威信を示すべく、北野天満宮境内に於いて、茶会が催されました。この時、この井戸から水を汲んだといわれています。北野天満宮拝殿には黄金の茶室が持ち込まれました。正面の鳥居をくぐってから楼門に向かって進んでいくと、右側が駐車場になっています。その駐車場の中にあります。
渡辺綱の灯篭
渡辺綱(わたなべのつな)とは平安時代の武将です、渡辺綱が深夜、一条戻り橋を通ると若く美しい女性に、「深夜なので家まで送って欲しい」と頼まれました。実はその女性は鬼で、綱を捕まえ空に舞い上がり、愛宕山へ連れ去ろうとします。渡辺綱は北野天満宮上空で、鬼の腕を切り落とし、難を逃れます。渡辺綱はこれを天神さんのおかげと、石灯籠を寄進したと伝えられています。本殿の前にあります。この鬼の伝説は貴船神社の丑の刻詣りに端を発したものです。興味がおありでしたら、以下のリンクをご参照頂ければと思います。
御土居 (おどい)
御土居とは、豊臣秀吉の京都改造事業の一つとして、京都市内に作られた土手のようなものです。防衛目的だとか、洛中・洛外の区別のために作られたと言われています。現存する御土居は極一部ですが、北野天満宮のすぐ横にあります。梅や紅葉の時期には綺麗な景色が望めます。
京都というと、平安京だけが基になっていると考えがちですが、実際にはこの御土居など、秀吉の時代の影響が色濃く残ります。例えば現在の五条大橋は秀吉の時代に移築されたものです。それまでの五条通は現在の松原通(清水寺の前の通り)で、今の五条通は六条坊門通といいました。
北野天満宮 四季のみどころ
北野天満宮の春
梅
北野天満宮では、お正月明けから早咲きの梅が咲き始めます。
2月初旬から3月下旬には梅苑が公開されます。
北野桜
その名のとおり、北野天満宮にしか咲いていません。京都市内では最も遅く咲きます(4月半ばすぎ)。一般に、京都市内で一番遅く咲く桜は仁和寺の御室桜(おむろざくら)であると言われますが、この北野桜は御室桜が散り始めるころに咲き始めます。
北野天満宮の夏
青もみじ
もみじというと秋という印象があるかもしれませんが、最近では初夏の青もみじも人気です。
京の七夕
京都では「京の七夕」というイベントが毎年開催されます。昨年からは北野天満宮も会場の一つに加わりました。
北野天満宮の秋 紅葉
この後、青紅葉は徐々に色づき、11半ば〜12月初旬くらいに見頃を迎え、紅葉が終わる頃には早咲きの梅がほころび始めます。紅葉の時期にはライトアップも行われます。空いていておすすめです。
北野天満宮の冬 雪と南天
京都では一年に1、2日程度雪が降ります。
おやつ
長五郎餅
北野天満宮にきたら是非頂きたいのが、長五郎餅本舗さんの長五郎餅です。本店は北野天満宮から少し下がったところにありますが、境内にも茶店があり、こちらでも頂くことが出来ます。営業日は原則毎月25日、季節のイベントに合わせた開店しています。
この長五郎餅とは豊臣秀吉が北野天満宮で開催した北野大茶会でも供された名品です。お味の方はと申しますと、大変上品な甘さです。人によってはあっさりしていると感じるかもしれません。然し乍(ながら)、上善如水ともうしますように、決して、味覚が競う、反駁するということがありません。分かる人にしか分からない味かもしれません。
茶店(本店でも頂けます)で頂けるのは、煎茶セット380円・抹茶セット580円です。抹茶セットがおすすめです。その場で点(た)ててもらえます。お店の中には火鉢がありとても暖かく過ごせます。練炭のこたつのような暖かさです。
詳細は長五郎餅本舗ホームページでご確認下さい。
お守りなど
お守りは初穂料(お守りやお札などをもらうときに神社に収めるお金のこと)700円から。先ほど申し上げました、菅原道真の逸話から学業成就のご利益があります。北野天満宮のお守りは柄が綺麗なのでお好きなものを選ばれたらよいと思います。桐の箱に収められているものすごく効果が期待できそうなお守りもあります。(初穂料3,000円)
ほかにおすすめなのは、付せんやクリアファイルなどの文房具各種です。こうした文房具は他の場所ではあまり手に入らない上、北野天満宮のものは梅柄がふんだんに使われていて、華やかな感じで、勉強にもやる気が出てきます。一番のおすすめはウシさんの土鈴です。
これらは社務所(本殿向かって右側)にありますが、社務所が開いている時間は9時~17時です。開門時間とは異なりますので、ご留意ください。御朱印もここでいただけます。
きたの水占いみくじ
北野天満宮には珍しい「水占い」のおみくじがあります。これはおみくじを水に浸すと字が浮き上がってくるというもの。貴船神社にも同じようなものがあります。初穂料300円。
基本情報
北野天満宮
住所 京都市上京区馬喰町
電話 075-461-0005
FAX 075-461-6556
開門時間 4月~9月 5時~18時 10月~3月 5時30分~17時30分
その他季節により変動があるので、詳細は北野天満宮公式ホームページまで。
アクセス
市バス 50、101、102、203系統などで北野天満宮前バス停下車
最寄り駅 嵐電北野白梅町駅
JR京都駅、阪急線、京阪線、その他の観光地からの具体的なアクセス方法は以下のリンクをご覧ください。
駐車場は無料です。収容台数は300台です。
またね~