概説
東福寺とは、奈良の東大寺と興福寺から一字ずつとって命名された、臨済宗東福寺派の大本山です。本年も昨年に引き続き紅葉シーズンに夜間特別拝観(ライトアップ)が開催されます。
本投稿ではライトアップされる国宝やもみじの楽しみかたなど、詳細に紹介申し上げます。合掌。
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2022年夜間特別拝観(ライトアップ)日程
- 日程 11月18日(土)~12月30日(日)
- 開催時間 17:00~19:30(19:00最終受付)
- 完全予約制 詳細は公式サイトの該当ページをご参照ください。
- 拝観料 2,800円
青もみじのライトアップとは違って予約しないと入れないから気を付けてね
拝観できる場所
2023年秋のライトアップでは、通天橋と方丈と四方の庭園(本坊庭園)、並びに国宝たる法堂、三門が公開される予定です。但し、法堂、三門は中に入ることはできません。
また、青もみじライトアップとは異なり、洗玉澗への立ち入りはできないようです。
上の写真を参照してくれ。もみじだらけのところが洗玉澗っつー谷で昼間はここを散策することができるけど、ライトアップではできねーみてーだ。洗玉澗の先にあるよこに長い建物が通天橋っつー橋で、その奥にあるのが方丈だ。
日中の通常の拝観ですと、通天橋と方丈と四方の庭園(本坊庭園)は個別に拝観券を購入しなければなりませんが、ライトアップ時は通天橋と本坊庭園を同時に参拝することができます。
先程の写真は臥雲橋という橋から撮影したものです。JR/京阪東福寺駅から東福寺に向かうときに通る橋ですが、おそらくご覧のように幕で覆われ、青もみじライトアップの時と同様に、洗玉澗をみることはできないかと思われます。
これは人が集まることによるクラスター惹起を回避するため、もしかしたらフリーライダーを防止するためかもしれません。
2020年のライトアップでは幕はなかったけどな。
入り口は日下門のみになります。写真は門をくぐったところですが、この先左の方に受付があります。
ここでは体温を測定した後、手を消毒すると思われます。
デコでピッとやった後、消毒液で手を消毒だ。
おそらく、今年も京都市新型コロナあんしん追跡サービスが利用できる筈だよ。黒い四角のところにQRコードがあってサイトに行けるようになっているよ。
この後、通天橋を渡り、紅葉を楽しんだ後、方丈で庭園を愛でて、外にでた後、法堂と三門を経て、勅使門より退出する運びになるかと予想されます。それでは、以下、参拝ルートに沿ってみどころを解説いたします。
尚、入口では電磁的入場券を提示することになると想定されますところ、日下門のところは電波がよくないのか、表示するのに苦労しましたので、駅周辺などで入場券を表示した状態で東福寺に向かわれるとよいでしょう。
なにが電磁的入場券だちょーしこいてんじゃねーよ。スマホでガっで表示して係の人にみせるだけだべ。
洗玉澗
洗玉澗は臥雲橋と通天橋の間に位置する渓谷で東福寺の紅葉の一番の見どころになります。ここはかつては桜がありましたが、全て伐採し、一面がもみじ(かえで)になっています。
室町時代によー、明兆っつーお坊さんがいて、まー、絵がうまい人で、涅槃図描いたら室町幕府三代将軍足利義持公が気に入って、褒美を取らすっつたら、「桜の木があると人が浮かれて騒いで修行の邪魔になるんで、桜の木をなくしてください」って頼んだんで、ご褒美として切ってもらったからだ。
足利義持公は金閣寺を作った足利義満公の子供だよ。
青もみじの時は散策できましたが、秋は人出が多い上、足元が暗い等の理由によりコースには入っていないようです。
日中はこんな感じです。
通天橋
いよいよ先程から度々ご紹介しております通天橋にまいります。ここからの紅葉の眺めが一番のみどころです。東福寺には三名橋と称される三つの橋があります。一つが先ほどの臥雲橋、そして通天橋、最後に偃月橋(えんげつきょう)です。通天橋から洗玉澗の西側を望むと視界の先にあるのが、臥雲橋です。踵を返すと(たしか)微かに見えるのが偃月橋です。偃月橋は龍吟庵という、日本最古の方丈建築を誇る東福寺の塔頭寺院に至る橋です。
通天橋から方丈(本坊)を望んだところです。日没間際にいくと空が綺麗です。通天橋を渡ると、本坊庭園にはいります。
本坊庭園
本坊庭園は日中の参拝では、一旦外にでて、庫裏から本坊庭園に入りますが、今回のライトアップでは直接入ることができます。靴を脱いで入りますところ、靴を入れる袋が用意されている筈ですが、寺院によっては、感染症予防の観点から靴袋の持参を義務づけている所がありますので用意なされるのが肝要かと思います。
クツかうと袋ついてくんべ?とりあえずアレを持ってきた方がいいんじゃねーの?
方丈には「八相の庭」と呼ばれる庭園が配されます。八相とは八相成道と称される、釈迦の生涯における八つの重要な出来事を表現したものです。
詳細は別途解説申し上げますので今しばらくお待ちください。
南庭は重森三玲枯山水庭園になっています。石組が神仙島(神仙思想で不老不死の仙人が住むとされる山)、中央の渦巻きは八海、苔山は京都五山を表します。
その先にある東庭には北斗七星が配されます。ここでは天の川に見立てた生垣(写真左奥)がありますが、青もみじライトアップでは青色にライトアップされ、夜空が擬制されていました。昨年の秋のライトアップでは普通のライトアップでした。今年はどうなるかわかりません。
西庭には、サツキの刈込で市松模様が表現されます。
また、西側と北側の庭の間にある通天台(最初のビデオに写っていたところ)という場所からは、通天橋を一望できます。
北庭では、敷石と苔で市松模様が表現されます。ビデオと逆(西から東)に向かってみていくと、市松模様が徐々に疎らになっていきます。
春になると、さつきの植え込みがハートになるよ♡
本堂
本堂は1881年(明治14年)に焼損した後、1934年(昭和9年)に再建されたものです。天井には堂本印象作の「蒼龍図」があり、御本尊たる釈迦如来像、脇侍たる摩訶迦葉尊者・阿南尊者立像、並びに四天王像などが祀られています。
今回のライトアップでは内部で参拝することはできず、外から参拝するのみですが、もしかしたら写真撮影が可能となるかもしれません(青もみじの時は可能でした)。本堂には「日蓮柱」とよばれる柱があります。これは東福寺創建時、日蓮上人が東福寺開山円爾の庇護に対する謝意として寄進された柱にちなみ、昭和の再建の際、日蓮宗の信徒の方々が寄進されたものです。
右の奥のほうに巨大な手があります。これはかつて東福寺の仏殿におわしました、釈迦如来座像の手です。先ほどご紹介した明治14年の火災で焼失してしましましたが、手の部分だけが難を逃れ、現在でも法堂に祀られています。
三門
1425年、足利義持公が焼失した三門を再建したもので、現存する最古の禅寺の三門として国宝に指定されています。禅宗様(唐様)、和様、大仏様(天竺様)という三つの建築様式が用いられています。内部には釈迦如来像と十六羅漢像が祀られています。(内部の拝観はできません。また、通り抜けることもできず、ライトアップされた外観を遥拝するのみになるかと予想されます。)
和様と大仏様については以下のリンクをご参照ください。
東福寺基本情報
東福寺へのアクセス
JR/京阪東福寺駅から徒歩約10分。