本投稿では京都にある、秀吉の正室ねねが建立した高台寺の、開山堂や波心庭のライトアップや夜間拝観、御朱印などのみどころやアクセス方法につき解説します。
高台寺とは?
高台寺とは豊臣秀吉の正室、ねね(おね)/北政所(出家後は高台院)が秀吉公の供養のために創建したお寺です。もともとは高台院の生母を供養するために建立した、寺町通にあった康徳寺というお寺が母体になっています。後ほどご紹介します、開山堂は康徳寺から移築したものです。創建当時は曹洞宗のお寺でしたが、のちに臨済宗に改宗しています。境内には枯山水庭園と池泉式回遊庭園があり、四季を通じてライトアップが行われます。
ライトアップなど高台寺のみどころ
台所坂登り口
薄緑色の宇宙人マークのところから坂を登っていきます。ここから高台寺入口に向かいます。
高台寺入口
写真は庫裡の入口ですが、お茶会受付の看板の矢印の方向にすすみます。入口には夢と書かれていますが、この書は秀吉公辞世の句、「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 難波のことも 夢のまた夢」にちなみます。
地図上、水色の吹き出しの場所が入口です。ここで拝観権を購入します。大人600円、中高生250円です。おすすめは高台寺・圓徳院・掌美術館共通拝観券(900円)です。他の二者を拝観できるお得な拝観券です。ライトアップ時などは混雑し、入口前に長蛇の列ができます。この場合、あらかじめ圓徳院入口(緑のお寺マーク)のでこの共通拝観権を購入しておくと良いでしょう。拝観券を購入し、境内に入ってすぐのところにトイレがあります。境内のトイレはここだけです。
赤い宇宙人マークのところから、銅閣を眺めることができます。
方丈庭園(波心庭)
赤い吹き出しの場所です。方丈前にある枯山水庭園です。しだれ桜が一本だけ植えてあます。桜を愛でることができる枯山水庭園は他にもありますが、高台寺では、庭園を背景に一本しかない桜を見ることができるのが特徴です。方丈から庭園をみると、視線が桜に引き寄せられます。背景には白沙と勅使門が入ります。この調和が見事です。「この時間がずっと続けばいい」、そんな気分になります。
ライトアップ時にはここでプロジェクションマッピングがよく行われます。
春のプロジェクションマッピング
花灯路の時のものをビデオでご覧ください。
本投稿執筆時(9月半ば)の時点での年内のライトアップは秋(おそらく10月21〜確定次第追記します。)と大晦日です。
秋のプロジェクションマッピング
黒の宇宙人マークの場所です。もともとは北政所様の持仏堂であったと伝えられる建物(上の写真の右側の建物)で、先述の康徳寺から移築してきました。内部に高台寺の中興開山三江紹益などが祀られています。天井は秀吉公の御座舟の天井と、北政所様の御所車の天井を組み合わせて作られていると伝えられます。微笑ましいエピソードですね。
さらに浪漫的なエピソードをひとつ。開山堂からは「楼船廊」という屋根付きの廊下が伸びています。廊下の半ばには「観月台」という場所があります。この開山堂と後述の霊屋(おたまや)は南の方角を向いています。その先には阿弥陀ヶ峰という山があり、そこの中腹に秀吉公が埋葬されています。北政所様はこの観月台から夜毎月を見ながら、亡き夫を偲んでいたそうです。いま書いていて気づいたのですが、「偲ぶ」とはかくも浪漫的な成り立ちですね。
秀吉公と北政所様は当時としては珍しい恋愛結婚でした。しかも、一目惚れした秀吉公からプロポーズ、身分の差を乗り越えての結婚でした。政略結婚となにか違ったものだったのでしょう。
開山堂付近のみどころ
開山堂と後述いたします、霊屋とは、臥龍廊という廊下で繋がっています。
この廊下の下には、臥龍池という池があります。紅葉シーズンにはこの池が水鏡になり、紅葉は映ります。この「臥龍」という言葉は文字通り、龍が臥すという意味です。臥龍廊の写真を見て頂ければお分かりかと思いますが、龍の背中のような形をしています。お寺には何かと龍をモチーフにしたものが多くあります。これは龍=水神 i.e.水を司る神様、というところからきています。お寺は木造なので、火事が起こらないようにとの願いから、例えば天井に龍の絵がかいてあったりします。
霊屋(おたまや)
今回は水鏡が設けてあります。
霊屋(おたまや)
続いて紫の宇宙人マークの場所ですが、ここは霊屋といいます。北政所様が秀吉公の菩提を弔うために建てた私的な廟です。中には秀吉公、北政所夫妻の像があります。内部は高台寺蒔絵と呼ばれる蒔絵で装飾されています。とても繊細なものです。建物自体は重要文化財に指定されています。この建物の下に北政所様が埋葬されています。秀吉公はここからほぼ真南にある豊国廟(智積院の東にあります。)に埋葬されています。写真を撮るのは憚られるので、撮影はしたことがありません。ご自身で実際にご確認下さい。
上の地図上のお寺マークが「豊国廟」という秀吉公が埋葬されている場所です。地図を拡大して頂ければ、ちょうど開山堂と霊屋が豊国廟の方角を向いているのがお分かりいただけるかと思います。
傘亭と時雨亭
いずれも霊屋から登ったところにあります。黄色の宇宙人マークの場所です。珍しい二階建ての茶室です。両者とも伏見城から移築されました。
傘亭
内側から見た屋根の様子が傘に似ていることから傘亭と呼ばれます。
時雨亭
珍しい二階建ての茶室です。この辺りからも京都タワーが見えます。
竹林
緑の宇宙人マークの場所です。傘亭と時雨亭の先には、竹林があります。竹林と申しますと、嵐山のものが有名ですが、高台寺にも(嵐山にくらべれば)ささやかな竹林があります。竹林のライトアップは嵐山の場合、12月の花灯路のときなど、短い期間しか見ることができませんが、高台寺は年間を通じてライトアップがおこなわれますので、気軽に見ることができ、オススメです。他にも近くの青蓮院でも竹林のライトアップが行われます。
高台寺天満宮
赤いピンが出口で、その先にある鳥居マークの場所は高台寺の鎮守社、高台寺天満宮です。ここは東山花灯路で狐の花嫁が参拝する場所です。狐の嫁入りについては、こちらで詳しく解説しています。
湖月茶屋
水色のコーヒーマークの場所です。ここの甘酒はおすすめです。ここから鐘楼と桜を愛でながら頂きましょう。この鐘は5時になるとつかれます。(たしかそうです。)
高台寺茶店
緑色のコーヒーマークの場所です。
オレンジ色の宇宙人マークの場所からは八坂の塔と京都タワーが一望できます。ここは見逃しがちなので、是非行ってみて下さい。
高台寺の妖怪百鬼夜行
毎年夏には妖怪百鬼夜行展が開催されます。期間中は周辺の飲食店などでも妖怪が書かれた提灯が飾られます。また、他の季節でも、妖怪百鬼夜行のプロジェクションマッピングが行われる場合があります。
高台寺の御朱印
受付でいただけます。初穂料300円。受付時間は9:00~16:30まで。高台寺天満宮でもいただけます。
高台寺基本情報
名称 鷲峰山高台寺(じゅぶざんこうだいじ)
正式名称 高台寿聖禅寺(こうだいしょうぜんじ)
住所 〒605-0825 京都府京都市東山区高台寺下河原町526番地
電話 075-561-9966
FAX 075-561-7387
ウェブサイト 高台寺公式ホームページ
拝観時間 9時~17時半(受付 17時終了)
所要時間 1時間~
夜間特別拝観 日没後点灯〜22時(21時30分受付終了)
拝観料 大人600円 小中高生250円
高台寺・高台寺掌美術館・圓徳院 共通拝観券 900円
昼間のうちに共通拝観券を買っておくと楽に入れます。
高台寺へのアクセス
JR京都駅から
京都駅前バスターミナルのA2乗り場から市バス17系統に乗車。円山公園に行くには、100、206系統などで東山安井バス停まで行くのが一番の近道ですが、原則このルートは込むので、本サイトでは17系統の利用を推奨します。(四条河原町で停車する系統ならどれでも構いませんが、17系統が空いています。)
四条河原町バス停で下車し徒歩で円山公園へ。徒歩約15分。おかえりの際は、宇宙人マークの場所(同じく四条河原町バス停)から市バス4、17、104、205系統などでJR京都駅へ。(ここから乗る場合はどの系統も混雑しています。)
京阪四条河原町駅・阪急河原町駅から
各駅から徒歩約15分。
お車でお越しの場合
高台寺の駐車場があります。自家用車は1時間600円、以降、1時間ごとに300円追加。24間開いてます。詳細は高台寺駐車場HPからどうぞ。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。