光明院とは?
光明院とは、臨済宗のお寺で、東福寺の塔頭寺院です。あまり有名ではないかもしれませんが、知る人ぞ知る穴場です。特に桜と紅葉の時期がおすすめです。
光明院の歴史と重森三玲
清水寺のように平安京遷都以前からある寺院に比べると、光明院は比較的新しいお寺ということが出来ます。開山は1391年、金山明しょう(永と日をくっつけた漢字。変換できませんでした。)により、東福寺の境外塔頭として創建されました。現在の庭園(波心の庭)は1939年に重森三玲という作庭家により設計されました。重森三玲とは、昭和を代表する作庭家で、東福寺の方丈庭園や瑞宝院の庭園の作庭で有名です。もともとは庭園があったようですが、市内の多くの寺院がそうであったように、恐らく、1934年の台風によって被害をうけたと考えられます。この年は日本庭園と三玲にとって重要な転機になります。お寺には設計図がありますが、庭園には設計図が残されていることがすくなく、各寺院は庭園の再建に苦労します。他方、三玲は1936年から全国約500の庭園を三年かけて実測調査し、伝統的な作庭法が失われつつあることを知ります。三玲はこれを契機に庭園研究、作庭に力を注ぐこととなります。
三玲の庭園は苔と石の使い方に特徴があり、庭園としてみたとき、躍動観があり、かつ、前衛的な印象があります。
波心庭:光明院の枯山水庭園
波心の庭の意味
上の写真が光明院の枯山水庭園、波心の庭です。名前は禅問答に由来します。二枚目の写真の掛け軸をご覧ください。
“無雲生嶺上 有月落波心 (くものれいじょうにしょうずることなくんば つきのはしんにおつるあり)” と読みます。
これは「仏法とはなにか」との問いの「雲がなければ波間に月が綺麗にうつる」という答えです。これは心に迷いがなければ、水面に映る月のように、仏心が写るという意味です。
光明院は別名虹の苔寺とも呼ばれます。ご覧のように苔が美しい庭です。この苔は州浜(入江が沢山ある海岸)を表わしています。苔で州浜を表現したのは、波心の庭が最初と言われています。写真の矢印の下に、小さな石がありますが、これは波の飛沫を表わしています。
石庭には全部で75個の石があります。これらは写真の数字で表した、三個一組の塊三つとその他の石に分かれます。三個の石はそれぞれ、三尊という仏像の置き方を表わしています。中心に主、左右に従たる仏像を安置します。波心の庭では、釈迦三尊(釈迦如来像、文殊菩薩像、普賢菩薩像など)、阿弥陀三尊(阿弥陀如来像、観音菩薩像、勢至菩薩像)、薬師三尊(薬師如来像、日光菩薩、月光菩薩[がっこうぼさつ])が1、2、3の内のいずれがで表現されています。さらに、この三つで釈迦三尊を表わしています。
光明院のその他のみどころ
アプローチ部分
アプローチ部分は本堂や庭園などにはいる前に心を整えたり、期待をくすぐるように設けられていますが、光明院では、このようになっています。特に紅葉の時期はここだけでも第一級です。
観庭楼
境内で一番大きい建物で、入口はここにあります。お茶席が設けてあることがあります。(常にあるわけではありません。)
拝観料(志納金)は竹の筒にいれます。
玄関の先には、季節の花が活けてあります。
あまり取り上げられることはありませんが、廊下がみどころの一つです。一枚板でできています。畳縦4枚分、約8メートルの長さがあります。こんな長い一枚板はみたことがありません。
方丈
玄関をはいるとまずここに行きたくなる筈です。釈迦如来像が安置されています。庭の前にまずは手を合わせましょう。ヤギ撮影隊は必ずお詣りを先にします。撮影はその後です。
書院
吉野窓が特徴的な書院です。窓を枠に見立てて景色を楽しむのがおすすめです。角度によって景色が異なります。窓の手前には石が置かれています。たまらんブヒね。
この窓ガラスは手漉きになっています。表面が均等ではないので、見る角度によって景色が違って見えます。
羅月庵
羅月庵という茶室があり、窓、壁、障子を含め、建物すべてが月を表わしているそうですが、どこにあるのかわかりません。「波心の庭からこの建物をみると、東の空に昇る月を楽しめる」とパンフレット(紅葉の時期にもらえます)にあるので、東側(上の写真)にあるはずなのですが、それらしい建物は見当たりません。朱色のたてものは向こう側にある民家が見えないようにするためにあるそうです。今一つはっきりしません。何かの別名なのでしょうか。
本日確認に行ってまいりましたが、恐らく矢印が差しているところ、紅葉の向こうに垣間見える建物が羅月庵と思われます。写真は恐らくその内部かと思われます。
両行庵
写真の矢印の位置にある茶室です。中に入れる場合があります。紅葉の時期は必ず入れたような記憶があります。(保証の限りではありません。)
入口の文言
日本語は言外の意味を汲み取る高度の必要がある言語です。もちろん、使われる場面などの多様な要素に左右されます。これははっきり言わないのということではではなく、明確に記述しなくてもわかる、若しくは相手をおもんぱかるという我々の文化の特質に起因します。村社会云々というのはプレスがinventした事実ですので呉々もお間違えなきよう(社会的規範を支える要素の一つには違いありませんが。
お静かにってことだ。
光明院の四季
春
春は4月上旬に桜が楽しめます。その後、つつじとさつきが両方楽しめます。(時期はずれます。)
夏
秋
紅葉は隠れた名所となります。あまり混雑していません。
冬
光明院の御朱印
残念ながら、御朱印はありません(確認済)。
光明院基本情報
- 名称 慧日山光明院 えにちざんこうみょういん
- 住所 〒605-0981 京都市東山区本町605-0981
- 電話 075-561-7317
- 公式ホームページ: なし
- 拝観時間: 8:00 – 夕方
- 拝観料(志納金):300円程度 入口の竹の筒にいれます。(紅葉シーズンを除く)
光明院へのアクセス
JRまたは京阪東福寺駅から徒歩約10分。