この記事の構成
- 1ページ目 概説、みどころ(銀閣、内部、銀沙灘、向月台、東求堂、五山送り火など)
- 2ページ目 みどころ(上下段庭園など)
- 3ページ目 銀閣寺の歴史、四季など
このページのもくじはこの下にあります。
みどころ6 回遊式庭園(特別名勝)下段
概説
錦鏡池という池を中心とした回遊式庭園です。西芳寺をモデルにして作られており、上段、下段の二段構えの構造になっています。解説の便宜上、これに倣い上段と下段に分けて解説申し上げます。
下から上に登っていくルートになってるから、下段から行くべ。
錦鏡池 (きんきょうち)
後述します洗月泉から流れ込み、東求堂の前に流れ、観音堂前まで広がる池です。写真中央の島は鶴が羽を広げているように見えることから、白鶴島(はっかくとう)と呼ばれます。
東求堂の前の池(錦鏡池)には三尊石があり、これも西芳寺の三尊石を模しています。
中尊が釈迦如来、右脇侍(向かって左側)が普賢菩薩、左脇侍(向かって左側)が文殊菩薩だよ。
鶴島の向こう側には大内石っつー石があんだけど、これは大内正弘という守護大名が献上したものなのよ。この人の祖父の大内義弘は金閣寺の庭園作るときには協力を拒んだけど、銀閣寺の時は協力せざるを得なかった、i.e., 銀閣寺創建当時の幕府の権力の拡大を示唆してんのよ。まー、大内石に限らず庭園内の石やら木は殆ど強引に献上させたんだけどな。どっかのお坊さんは運送の費用まで負担させられてぼやいてたぜ。
苔
京都の庭園は苔が綺麗なところが沢山ありますが、銀閣寺のものは特に潤沢です。これも西芳寺を模したものです。
洗月泉
水面に映った月を洗うという名前の泉です。東求堂前の錦鏡池に流れ込んでいます。
みどころ6 回遊式庭園(特別名勝)上段
月待山
お茶の井
竹停漱蘇停という枯山水庭園の跡から昭和6年に発掘された井泉です。西芳寺の龍淵水石組を模して造られたもので、足利義政公が茶を点てるときに用いたと言われます。現在でもお茶会で用いられます。
龍門瀑
お茶の井の後方にある石組です。度々申し上げていますが、銀閣寺は西芳寺を模範としています。西芳寺の上段庭園には日本で最初の龍門瀑がありますところ、銀閣寺の庭園の上段にもこれに倣ったと解する余地があります。(文献等が見当たりません)
龍門瀑の詳細は以下を参照してね。
展望台
展望台と申しましても、すこし道が広くなっている程度ですがここから、吉田山、衣笠山など、市内を一望できます。
その他のみどころ
庫裡前の庭園
方丈には入れませんが、中門をくぐってすぐ左側にあります。素通りする人が多い所ですが、他とはすこし違った意匠です。
銀閣寺形手水鉢
方丈と東求堂を結ぶ廊下のところにある小さな庭園にあります。袈裟を模したものです。庭園時代は江戸時代の作庭です。
銀閣寺垣
総門から約50メートル程度のアプローチです。外界と銀閣寺の境界となっています。此岸から彼岸に至る道程のような感覚を覚えます。西芳寺の洗心の道を模しています。この先に義政が理想とした極楽浄土の世界が待っています。