アンドロイド観音マインダーとは?
アンドロイド観音マインダーとは京都の高台寺におわします、ロボットの観音様です。高台寺の教化ホールというところで5月6日まで、悩める我々を救うべく、般若心経に関し法話をしてくださいます。
ことの始まりは高台寺の後藤典生(てんしょう)執事長が、大阪大学の世界的なロボット研究者である石黒浩教授に仏様と人間との距離を縮めるべく、開発を依頼されたようです。
アンドロイドの観音様はこのようなお姿をしておられます。お顔の部分はシリコンのようなものでできていて、瞬きをするなど、人間のように表情が変わります。また上半身が動きますが、滑らかに人間のような動きです。
2020年春のスケジュール
2月: 23日(日)、24日(月・祝)、並びに29日(土)
3月: 1日(日)、7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)、20日(金・祝)、21日(土)、22日(日)、28日(土)、29日(日)
午前と午後に分かれます。午前中(10時から12時まで)は自由参拝。予約等は不要。
午後はアンドロイド観音マインダーによる法話が行われます。
法話は約30分間。般若心経について行われます。予約優先です。詳細は高台寺HPをご参照ください。
13:30(13時 受付開始)
14:00~15:00 自由参拝
16:00(15時30分 受付開始)
アンドロイド観音 参拝方法
この観音様が我々に般若心経につき、わかりやすく解説してくださいます。時間は約1時間程度、教化ホール内にの壁には、365度、プロジェクションマッピング投射されます。拝観料は志納となっており、ホールの中の観音様の前にある透明な賽銭箱に収めます。説法がはじまると、撮影は一切禁止ですが、開始前後の撮影は可能です。
入場時には特別のカードを守りをいただけます。裏には般若心経全文が掲載されています。また、教化ホールの隣の隣にある利生堂(りしょうどう)で特別の御朱印もいただけます。高台寺については、以下のリンクをご参照ください。
観音とは?
所謂、観音さまのことですが、正しくは、観音菩薩、観世音菩薩、若しくは観自在菩薩と呼ばれます。仏様は如来、菩薩、明王、天部、その他にわかれます。菩薩とは、菩提薩埵(ぼだいさった)と縮めたもので、梵語で「悟りを求める者」という意味です。王族時代の釈迦がモデルになっており、装飾品を身に着けています。
観音菩薩は阿弥陀如来の化身として、苦しむ衆生を救ってくださいます。この時、衆生がわかりやすい態様で姿を現します。これを普門示現(ふもんじげん)といい、観音経では、33の態様に変ずると説かれています。これに鑑み、観音菩薩は馬頭観音など様々な姿に変ずると考えられています。例えば、現在工事中の清水寺の観音様は夜ごと龍になって、水を飲みにいくといわれます。高台寺ではアンドロイドの姿態で我々の眼前で説法してくださります。故に、「アンドロイド観音」は奇異なわけではありません。
般若心経の現代語訳
Overview
般若心経は『仏説魔訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつまかはんにゃはらみったしんぎょう)』と言います。仏説魔訶は宗派によってはつかないこともあります。オリジナルテキストはサンスクリット語で記載されています、現在我々がよく目にするものはその漢訳です。玄奘三蔵(三蔵法師)が訳したものです。アンドロイド観音お守りの裏側にも記載されていないので、本項でも記載していません。大乗仏教の神髄が全600巻に及ぶ『般若経』の神髄をわずか262字にまとまたものです。
アンドロイド観音様は般若心経の核心ついて解説してくださいますので、ここでは予備知識として、簡単に解説します。
原文
般若波羅蜜多心経
観自在菩薩・行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受想行識亦復如是。舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。是故空中、無色、無受想行識、無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法。無眼界、乃至、無意識界。無無明・亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。無苦集滅道。無智、亦無得。以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罜礙、無罜礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多呪。
即説呪曰、羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶。般若心経
意味
仏様が観音様が悟ったときのことを弟子に話す形式どすえ。
般若波羅蜜多心経
智慧で彼岸にいくでしかし。
観自在菩薩・行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。
観音さまが深淵な知恵を完成せしめんとしていた時、五蘊は全部空だとわかり、全てのくるしみを克服した。(五蘊は後程でてきます。)
舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受想行識亦復如是。
舎利子(仏様の弟子の名前)よ。事物には実態がない(五蘊のうちの一つ。物質を表す。)。何かを感じること、想起すること、意思をもつこと、認識すること(五蘊ののこり四つ。精神の作用を表す。)も同様に実態がない。
舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。
万物は生じることも滅することもない。浄・不浄もない、増減もしない。
是故空中、無色、無受想行識、無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法。
だから、せっき挙げた五蘊はない。認識する器官もない(眼耳鼻舌身意は認識するときの端緒になる器官のことで六根といいます)。だから認識の対象もない(色声香味触法は上の眼以下に対応しており、認識の対象のことで六境といいます。)
i.e., 万物は生じることも滅することもなく、浄・不浄もなく、増減もないので、物質も精神作用もその対象もないってことどすえ。
無眼界、乃至、無意識界。無無明・亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。
器官を用いて対象物を意識するという行為がない。そして、十二因縁(無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死という苦しみのもと)もない。
無苦集滅道。無智、亦無得。
人生は苦しいということ、苦しみの原因、幸せ、並びに幸せになる方法、という四つの真理(四聖諦といいます。)もない。智慧もなく、なにかを得ることもない。
以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罜礙、無罜礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。
何も得るということが観念できないので、菩薩(悟りを求めている人)は彼岸に至ることのできる智慧の中にある。だから煩悩がない。煩悩がないので、誤った考えがなく、恐れもないので、涅槃に至ることができる。
三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。
過去、現在、未来のすべての仏様はこの彼岸に至る智慧により悟りに至った。
故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多呪。
故に、この智慧は偉大、明確かつ比肩するものがない、一切の苦しみを克服する仏の真実の言葉である。
即説呪曰、羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶。般若心経
この智慧を表す真実の言葉は、羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶。般若心経
(ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼうじそわか はんにゃしんぎょう。サンスクリット語の音に漢字をあててあります。)ほな、涅槃にいくでしかし。
最後にオレが簡単に締めるぜ。事物は相対的に評価してるから存在するように見えるだけだ。なんもない境地にあると涅槃にいけるぜ。I suspect that’s the supreme state of mind. たぶんだけどな。保証はできないぜ。
ありがたいアンドロイド観音マインダー様の教え
あまりいうと行った時の楽しみがうすれますので、印象にのこったことを一つだけご紹介します。
「事物に実態はない。とすると、自分というものも実態がない。自己というものが存在しない。(存在するようにみえるのは、当該個人の主観が投影されているにすぎない)自己が存在しないので、他者も存在せず、区別がない、すなわち平等である。」という内容を説かれます。
今日われわれが「平等」という時には、 1789年の人間と市民の権利の宣言にある平等という考え(人は権利に於いて、自由かつ平等に生まれて、生きると書いてあります。)、若しくは、その派生原理に基づく平等を意味すると思いますが、仏教の「平等」は考え方がことなるんですね。これはとても興味深く拝聴しました。予備知識としてこんなことを考えながら行かれれば、楽しいかと思います。合掌。
高台寺へのアクセス
京阪: 祇園四条、もしくは五条坂駅
阪急:河原町駅
市バス:四条河原町、もしくは祇園バス停
高台寺は赤い宇宙人どすえ