概説
2020年の祇園祭は、新型コロナウイルス感染症に対する危惧から、すでに4月20日の時点で山鉾巡行、前祭・後祭の宵山の中止が発表されていました。その後は何らの発表もありませんでしたが、昨日、八坂神社境内に於きまして、本年の日程が掲示されていました。
今年は上述の事情があります故、大幅な変更がなされています。本投稿では主要な点につき、例年と異なる点を先述の掲示に則り、主要なものをご紹介します。
また、詳細に解説していると徒に紙面を割いてしまう恐れがあります。そこで、適宜リンクやビデオを示しますので、さらに一歩踏み込んでみたい方はご参照いただければ幸いです。
詳細な日程は以下のリンクをご覧ください。
外出されるか否かは十分な情報を収集の上、ご自身で判断なさってください。本投稿、並びに本サイトは読者の皆様の外出を喚起・推奨するものではありません。また、本投稿内の記載事項は変更されることがありますので、ご注意ください。上記、並びに本サイトから起因する一切の不利益に対し、本サイトはいかなる責任も負いません。かならずご自身でご決断・確認ください。
日程が変更されたのは、きっとクラスターの惹起を危惧してだべ?察してくれ。
2020年速報
祇園祭・御霊会の趣旨から開催
一番重要なことですが、2020年も態様は異なれど、祇園祭が開催されることです。これは祇園祭(昔は祇園御霊会)の核心は一環して、疫病退散にあることによります。これを理解していただかなければ、全体像がつかめませんので以下のリンクでご確認いただければと思います。
いろいろ見てーべ?今回はビデオ多めに貼っといたぜ。
居祭
宵宮祭
一番の変更点は今年は居祭になるという点です。冒頭の看板の15日、宵宮祭の項で”居祭の神輿に”と記載されています。
例年ですと、三基の神輿は御旅所に渡御しますが、今年はこの限りではなく、神輿庫に於いて御神霊をお遷(うつ)します。神輿庫とは南楼門を入ると左手に手水舎がありますが、さらにその奥にいった所にあり、三基の神輿は普段はこの中に安置されています。
神輿庫の中で関係者のみで行うのかなどは、現時点では一切わかりません。
御神霊渡御祭
これは本年のみ斎行される行事です。例年ですと、17日に神輿に遷された御神霊が四条寺町の御旅所に向かわれ、一週間御旅所に鎮座されます。(神幸祭)
今年は神輿渡御自体はありまえんが、”御神霊を御旅所にお遷しする”とのことです。これも詳細は不明です。恐らく何等かの方法、例えば唐櫃など、を用いるのかもしれません。
御神霊は神輿以外の手段でもお遷しすることが可能です。例えば、御蔭祭では、御神櫃(ごしんぴつ。馬の背中の上に乗っています)が用いられます。
久世駒形稚児
久世駒形稚児とは、中御座を先導するお稚児さんですが、本年は神輿が渡御しないので、登場しないものと推認されます。先ほどの神幸祭のビデオでご確認下さい。白い馬にのっています。
御勅板
神幸祭のビデオの冒頭で確認できる、橙色の布に包まれた細い板を御勅板と言います。これには、974年に円融天皇が出された、神輿を渡御すべしとの勅命が記載されています。御勅板も中御座に先んじて御旅所につきますが、おそらくこれもないのではないかと推認されます。
山鉾巡行の中止
祇園祭の趣旨との関係
2020年はご存知の方も多いかと思いますが、山鉾巡行が中止されます。祇園祭の趣旨でご紹介申し上げました通り、山鉾巡行は市中の疫神を集めることにその意義があります。しかし乍ら、巡行をすれば、必ず人が集まります。万が一にも新型コロナウイルス拡散の契機になってしまっては、祇園祭の趣旨が水泡に帰します。故に開催が中止されたものと推定されます。
曳き初め
例年ですと、鉾を建てた後、何人でも鉾を曳くことができ、これを曳き初め(ひきぞめ)といいます。今年は巡行中止とともに、この曳き初めも行われません。
お稚児さん
先述の久世駒形稚児のほかにも、長刀鉾には生稚児というお稚児さんがいます。例年ですと7月1日にお千度というお参りをなさりますが、今年は役員の方のみで行うとのことです。
また、綾傘鉾にもお稚児さんがいます。例年ですと、7月中に八坂神社に社参しますが、ことしはこれらもありません。
鉾立は中止
例年ですと、7月10日から鉾建てが始まりますが、ご覧のように今年は中止です。
宵山の中止
同様の理由から前祭・後祭の宵山も中止になったと推認されます。故に宵山に関連する行事も中止されます。祇園囃子の演奏やあばれ観音などの行事も中止かと思われます。
また、交通規制の有無で検索なさって拙サイトに起こしいただく方が増えておりますが、宵山が開催されなければ、規制の必要性がありませんので、おそらく交通規制はないのかとおもわれます。
急ぎ足でしたが、主要な点を挙げてみました。今後追記するかもしれません。