この記事の構成
- 1ページ目 概説、2023年の日程、時代祭の歴史、時代行列のコース、有料観覧席、交通規制、どこでみるか
- 2ページ目 時代行列1 明治時代、江戸時代、安土桃山時代
- 3ページ目 時代行列2 室町時代、吉野時代(南北朝時代)鎌倉時代
- 4ページ目 平安時代、延暦時代、前列、神幸列
このページのもくじはこの下にあります。
時代行列 みどころと解説
行列は明治維新から平安時代まで、時代を遡って進んでいきます。時代祭の一番のみどころはなんといっても、伝統工芸により忠実に再現された、衣装や祭具です。生きた歴史絵巻とも言われてます。京阪の出町柳駅にも時代祭の様子が絵にかかれています。
また、各時代の婦人列(ない時代もあります)は五花街で輪番で奉仕しています。ですから、後述しますように、地髪を結ってはりますし、和服を着慣れてはるので、歩き方が綺麗です。些細なことかもしれませんが、リアリティに寄与しています。
そして、時代祭の趣旨は、平安神宮の御祭神たる、桓武天皇と孝明天皇に現在の京都の様子を見て頂くことです。このため、桓武天皇と孝明天皇の御霊を御鳳輦という乗り物に移し、この御鳳輦を市内を巡幸させます。この御鳳輦が実際に動く様子はあまり目にすり機会がないかと思います。
名誉奉行
京都府知事や門川市長さんが続きます。
明治維新時代
維新勤王隊列
丹波の国北桑田郡山国村(現在の右京区)の有志が山国隊を組織し官軍に参加したときの様子を再現しています。頭には黒熊(こぐま)白熊(はぐま)をかぶっています。後ろの鼓笛隊とともに行列を先導します。実質的な先頭です。
幕末志士列
写真は桂小五郎と坂本龍馬です。桂小五郎、西郷吉之助、坂本龍馬、中岡慎太郎、高杉晋作の順で進みます。
七卿落(しちきょうおち)
公武合体派の皇族、公卿と薩長が連動したクーデター、八月十八日の政変で失脚した三条実美らの公家が京都を追放され、長州へ逃れる様子を再現しています。雨の夜に出発したので、蓑を身に着けています。
江戸時代
徳川城使上洛列
朝廷の儀式などの際に徳川幕府から送られた城使の様子です。時代行列の中で最大の規模を誇ります。
江戸時代婦人列
時代行列最初の婦人行列です。当時の華やかな衣装が目を引きます。これらの女性はかつらではなく、みな地髪を結っています。婦人列があるのは、江戸・中世・平安時代列のみです。
これは和宮(かずのみや)。仁孝天皇の皇女で、江戸幕府第14代将軍徳川家茂の正室です。平安京最後の天皇、孝明天皇の(異母)妹にあたり、明治天皇のおばにあたる人です。「惜しまじな 國と民のためならば 身は武蔵野の 露と消ゆとも」と歌を残し、関東に下がりました。
この人は太田垣連月という江戸時代の女流歌人です。一時期は平安神宮のある岡崎にも住んでいました。富岡鉄斎に影響を与えました。
黒い服の人が中村内蔵助の妻、華やかな服装の人はその侍女です。中村内蔵助とは、江戸時代の豪商です。その奥さんが衣装比べに臨んだ際、他の豪商の妻は派手な衣装でしたが、中村内蔵助の妻は侍女に豪勢な服装をさせ、自分は写真のように黒の打掛でのぞみました。これは中村内蔵助と交流のあった、尾形光琳のアドバイスによるそうです。
手前が吉野大夫という後の島原の大夫です。奥に見えるのは、出雲阿国です。
安土桃山時代
豊公参朝列
これは豊臣家の朝廷参内の様子を再現しています。秀頼の初参内と、元服時の参内は最も盛大だったと伝えられています。公家と武家の要素が混在していて、新鮮な印象を受けます。豊臣秀吉は牛車に乗っているので姿が見えません。(次の織田公上洛列で羽柴秀吉として登場します。)この牛車は檳榔毛唐庇車(びんろうげからびさしぐるま)という、最高級の牛車です。
右側の馬に乗っているのが、前田玄以、左が石田三成ですが参朝の日だけ許された、「一日晴れ」という豪華な装束に身を包んでいます。
織田公上洛列
織田信長が応仁の乱で荒廃した京の町の修復のため、、足利義昭を奉じて上洛したときの様子を再現しています。粟田口(青蓮院の近く)で出迎えられた場面を再現しています。
後ろにひょうたんの馬印が見えるので、羽柴秀吉ですね。
織田信長です。
滝川一益。信長の家臣です。
柴田勝家です。兜についているのは瓦で、銀瓦形脇立兜(ぎんがわらがたわきたてかぶと)といいます。鉄砲が入って来たので、次の室町時代にくらべ、鎧が屈強になっています。