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八坂神社白朮(おけら)祭2025:歴史と祇園祭の関係

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概説

  • 八坂神社では大晦日のをけら詣りと翌日元旦の白朮祭(おけらさい)があるが、本稿では元旦の白朮祭を扱う。
  • 元日の白朮祭は早朝5時より行われる。をけら詣りの原型である。こちらも吉兆縄に火を移し持ち帰り、お雑煮などを作る。
  • 白朮祭に用いられる御神火は祇園祭の神輿洗い式の露払いのための松明の点火にも使われる。
 いちきしま ひめ
 いちきしま ひめ

尚、本投稿内の寺社仏閣の公開時間、拝観料などは変更されることがありますので、ご注意ください。右、並びに本サイトから起因する一切の不利益に対し、本サイトはいかなる責任も負いません。かならずご自身でご確認ください。

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2024年最新情報

概要

2024年も特段の事情なき限り例年通りに斎行される予定です。

2023年/令和五年の様子

八坂神社白朮祭2023

先ほど恙なく斎行されました。合掌

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白朮祭の歴史

白朮祭とは元旦の午前5時に八坂神社で行われるその年の最初の神事で、一年間の安泰を祈願します。昔は「祇園削掛神事(ぎおんけずりかけのしんじ)」とよばれていました。

この神事は大晦日の夜に、他人を誹謗して邪義を払い、(i.e. 腹にためこんでいたわだかまりを吐き出して、遺恨を残さないようにし、かつ、自己に対する誹謗を以って襟を正し新年を迎える。暗闇の中で行われるので誰が何をいっているかわからないので、遺恨を残さない。)その後、僧侶が(当時の八坂さんは祇園社というお寺)神前で天下安寧を祈念し、削掛を燃やして、その煙が漂う方角を以って五穀の豊穣を占う神事でした。これが元になり、現代の白朮祭に形を変えました。この行事は、その態様から「悪口祭(あっこうさい)」とも呼ばれていました。

嵯峨菊

鉋屑には朮(おけら)をいう植物(シロツメクサというか、嵯峨菊が小さくして花びらを 短くしたような姿をしています。)が混ぜてあり、燃えると独特のいい匂いがします。キク科の多年草で山の中や田畑のそばに生息していましたが、現在は京都府のレッドデータブックでは絶滅危惧種に指定されています。八坂神社の境内に自生しているそうですが、どこなのかはわかりません。(今日も探してきましたがみつかりませんでした。)薬効があり、漢方薬や屠蘇に用いられます。

大原女(おはらめ)寂光院

この白朮祭は明治時代から始まったのですが、当時は大原女(おはらめ)が白朮を運んでいました。大原女とは、出家し、寂光院で平家一門と安徳天皇の菩提を弔っていた建礼門院が農作業をしていた時の服装を近隣の人が真似たものと伝えられます。

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今日の白朮祭

まずはビデオをご覧ください。

白朮祭

それでは現代の白朮祭を見てみましょう。この神事では片木(へぎ。三方の上の部分のような形のもの)に載せられた鉋屑に神職のかたが本殿内の白朮火から串で移した火で点火し、邪気を祓った後、本殿前(お賽銭を入れるところの前)に火を落とします。この火から先述のをけら詣り同様に、吉兆縄に火を移し、自宅までもって帰ります。ちなみにこの鉋屑は市内のお箸屋さんが納めていたはずです。(記憶が曖昧ですが、たしかそうだったはずです。)

これに先立ち、拝殿内での白朮祭が執り行われます。外からはよく見えませんでしたが、神饌をお供えしていました。

京野七夕2016北野天満宮会場

白朮火は拝殿内の台に乗せられ灯篭から移されます。写真を撮ろうとすると、拝殿の中が写ってしまいますので、写真はありません。上の写真は北野天満宮の吊り灯篭です。ちなみに北野天満宮でも白朮火の授与が行われます。

外から見た感じですと、おそらく炭火の状態になっているのではないかと思います。

七里ヶ浜親方
七里ヶ浜親方

なんかよー、お線香みてえな細いなにかで御本殿内にある灯籠から取り出すのよ。

八坂神社の白朮祭

これが御神火です。神職のかたが手でもってはるのが片木です。

八坂神社の白朮祭八坂神社の白朮祭

地面に落とされた火はすぐ消えてしまいます。素早く、吉兆縄に移す必要があります。とは言っても、私は写真を撮りながら火を頂いてきましたので、それほど急ぐ必要もありません。ただし、この時間(午前5時)では吉兆縄が手に入りませんので、あらかじめ用意しておく必要があります。(私は大晦日に入手しておきました)「おけら火でお雑煮をつくると無病息災」といわれますが、元来はこの朮祭のおけら火をさしていました。

シカさん
シカさん

ここ二年は朝でも縄が売ってたよ。

八坂神社の白朮火

無事に吉兆縄に移されたをけら火です。この後くるくる回しながら帰宅し、火種にし、お雑煮を作り、吉兆縄を火伏のお守りとします。

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白朮祭の火と祇園祭

白朮祭に用いられる御神火は、前年の12月28日虎の刻(現在の早朝5時頃)に八坂神社本殿で、非公開の鑽火式(さんかしき)に於いて鑽(き)りだされます。

「鑽火」とは火をおこすことです。火鑽杵(ひきりきね)と火鑽臼(ひきりうす)を使って火をおこします。これを「火を鑽(き)りだす」と表現します。神事で使われる火の多くはこの方法でおこされます。

七里ヶ浜親方
七里ヶ浜親方

摩擦で火を起こすのよ。

御神火といいます。御神火の一部は本殿内のおけら灯篭(おけらとうろう)に移され、その後、おけら詣りに用いられます。

をけら火神輿洗式の松明

なお、この御神火そのまま、本殿に灯籠のようなものの中で一年間保存されます。元日には白朮祭で用いられ、7月の祇園祭神輿洗式の折、四条大橋までの参道を清める松明を灯す際にも用いられます。(やじるしでしめした箱の中で燃えているのがおけら火です。)

参拝者は吉兆縄にこの火を移し、火が消えないように、くるくる縄を回しながら自宅まで帰り、火種にし、お雑煮を作り、吉兆縄を火伏のお守りとします。

をけら火鎮火用の水桶

例年、公共交通機関等を利用するかたのための鎮火用の水桶が設置されています。

吉兆縄は境内に縄を沢山持っている人がいるので、その人か、もしくは、出店で授与して頂きます。去年は700円でした。縄と言っても、普通の荒縄ではありません。また、一般の火縄とも異なります。一般の火縄は竹、若しくは木綿をよって、砥石を含ませてあったりしますが、吉兆縄は火が消えにくいように、薄くそいだ竹でできています。三重県の農家のかたが作ってはるようです。

たけちよ
たけちよ

昨年は元旦早朝でも購入可能でしたが、不足の事態に備えて、必ず大晦日に購入しておいてください。

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八坂神社 白朮祭時のアクセス

おけら詣り

バスは大混雑しますので、鉄道の利用を推奨します。

最寄り駅は京阪祇園四条駅阪急京都河原町駅です。

祇園四条駅・河原町駅から八坂神社までは徒歩約5分程度です。

市バス

シカさん
シカさん

大晦日は土曜・休日ダイヤだよ。詳細は公式サイトの該当ページで確認してね。

七里ヶ浜親方
七里ヶ浜親方

一日券の類は日をまたいで使うことはできねえから気を付けてくれ。0時を過ぎたら無効だ。

JR西日本

たけちよ
たけちよ

本年も終日運転は行われないようです。

京阪

たけちよ
たけちよ

三年振りに、京阪本線の終夜運転があります。

シカさん
シカさん

大晦日は正月ダイヤ(約15分間隔で運行)だよ。詳細は公式サイトの該当ページを確認してね。

阪急

シカさん
シカさん

大晦日は土曜・休日ダイヤだよ。詳細は公式サイトの該当ページで確認してね。

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八坂神社基本情報

  • 住所 〒606-0073 京都府京都市東山区祇園北側625
  • 電話 075-561-6155
  • FAX 075-531-1126
  • ウェブサイト 八坂神社公式ホームページ
  • 拝観料 無料