この記事の構成
- 1ページ目 龍安寺石庭の意味、枯山水の意義、「虎の子渡し」説、「15(不完全)」説、15個すべての石は見えないのか?、「心」説
- 2ページ目 石「五智如来」説、「十六羅漢遊行」説、「七五三」説、「カシオペア(星座)」説、「清少納言知恵の板」説、
- 3ページ目 龍安寺石庭の歴史と作られた時期の謎、築地塀の謎
- 4ページ目 誰が石庭を作ったのか?
- 5ページ目 石庭以外の龍安寺のみどころ
- 6ページ目 石庭の四季、アクセス、参考文献
このページのもくじはこの下にあります。
龍安寺の石庭以外のみどころ つくばい
方丈を挟んで、龍安寺石庭の反対側にあります。つくばいとは、茶室の入り口に手を洗うために置かれます。つくばう(しゃがむ)という言葉から来ています。実はこれはレプリカで、本物は龍安寺の中にある、蔵六庵という茶室にあります。残念ながら非公開で、中に入ることはできません。このつくばいは徳川光圀(水戸黄門)の寄進によるものと伝えられています。
このつくばいには中心に四角い穴があいていて、古銭のように見えます。実はこの四角い穴は漢字の部首の「口」になっていて、それぞれ上から
“吾”
“唯”
“足”
“知”と読むことができます。
全部合わせると、”吾唯知足”となります。これは、上の写真にあるように、「知足の者は貧しくとも富めり、不知足のものは富めりと言えども、貧し」という意味ですがこれだけではソクラテスの言葉と同じ意味だと誤解されそうなので、少し解説します。
この言葉は『仏遺教経』(お釈迦様の最後の説法を集めたもの)にある言葉で、簡単にもうしますと、人生の苦悩から逃れるには、足ることを知る必要がある。これを知っている人は、地上にいても安楽である、(知らない人は逆)という意味です。
侘助椿
つくばいのすぐ先にある日本最古の侘助椿です。名前の由来は文禄・慶長の役のとき、侘助という人が持ち帰ったからとか、侘数奇に由来するなど、諸説あります。豊臣秀吉が気にいっていたそうです。
庫裡
庫裡とは僧侶が生活する場所のことです。ここが入り口になっていて、石庭がある方丈に通じています。
入ってすぐのところにカリグラフィーがあります。
これは陶淵明の「飲酒二十首」其五という詩ですが、後半部分、菊を採ったり、山を見たらいい塩梅だったり、鳥が家に帰っていくのを見て、「真意」がそこにある、という意味の詩です。
鏡容池
先述しました、『都名所図絵』によれば、龍安寺は石庭よりも、この鏡容池とそこに住んでいるオシドリの方が有名でした。
現在では、仲睦まじいアヒルさんがいます。いつ行っても二羽で仲良くなにかしています。この日は昼寝?でしょうか。