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2025年公開日程
- 期間:3/20(木・祝)~4/13(日)
- 拝観時間:10:00~16:30(最終受付16:00)
- 拝観料:大人800円、小学生400円
- 御朱印:通常のもの(300円)と令和六年限定御朱印(400)

今年は桜の開花が遅れているから、おそらく桜が楽しめる筈。詳細は以下のリンクを参照してくれ。

概説
霊鑑寺とは、哲学の道の近くにある、尼門跡寺院です。尼門跡とは尼僧が住持を務める門跡寺院です。尼門跡とは明治以降の名称で、それ以前は比丘尼門跡とよばれていました。承応三年(1654年)に後水尾天皇上皇の皇女、多利宮が創建、勅許により、円成山霊鑑寺の山号を賜ったことを皮切りに、明治維新まで合計五人の皇女皇孫が入寺されました。創建当時は現在よりもさらに南の谷の部分にあったことから、「谷の御所」とも呼ばれます。
徳川家斉公御寄進の本堂には鏡(霊鑑)をお持ちになった如意輪観音像を祀られています。
今日では秋の紅葉と春まだきの椿の時期に限定公開されています。
中の様子はビデオでご確認下さい。
書院
概要
書院は写真の門をくぐってすぐ左にある建物です。霊鑑寺には幾多の見所がありますが、書院が最たるものです。この建物は元来は後西天皇の院御所の御休息所と御番所(警備の人が詰める場所)でしたが、皇女普賢院宮宋栄が住持であった際に下賜され、現在の位置に移築されました。
書院の建物は上記の二つの建物をつなげて作られています。まず主たる部分がかつての御休息所で、縦長の長方形をしています。この建物の右側に御番所が付随しています。
庭園は事後的に枯山水になっています。
正面奥から、謁見のための上段の間、中段の間、下段の間と続きます。これら三つが謁見の間を構成します。上段の前の奥には、次の間、さらにその奥に起居に使用した居間があります。通常の特別拝観ですと、上段、中段、下段の間を廊下からみることができるだけですが、2020年は御大礼奉祝のため、36年ぶりに次の間と居間が公開され、なかに入ることができました。

即位については以下のカテゴリを参照してくれ。ヘビ文字のものはゴーグルの翻訳とかかましてくれ。すまねえ。

上段の間、中段の間、下段の間
ここは先ほど申し上げましたように、謁見のため、すなわり、公的な空間になります。上段の間の天井は格天井という最も格式の高い天井が用いられています。(二条城の天井とおなじ形式)上段の間と中段の間を仕切る襖には『官女唐子遊図』(狩野元信)という絵が描かれています。子供が沢山描かれていますがこれは幼い砌に入寺された宮様に配慮してのことと伺っております。
これに対し、下段の間の向かって右側には狩野永徳筆と言われる、『金襖老梅図』、左側には『四季花鳥図』(伝円山応挙筆)というパンフレットに使われている襖絵が描かれます。
居間、次の間
先ほど申し上げましたように、2020年の京の冬の旅で36年振りに公開されました。居間は宮様の私的な空間です。入ると最初に目を引くのは高さが50センチくらいある伽羅です。伽羅とは、香木の中でも最高峰のものです。たしか彫刻が施されていました。

すまねえ、あまりの大きさにビビって記憶が曖昧になってんだ
これは、霊鑑寺四世の等覚院宮が徳川第十一代将軍、徳川家斉公から賜ったものです。当初、十代将軍徳川家治公の長男、十一代将軍に就くはずであった家基公と婚約されていました。ところが、家基公は鷹狩りの帰途、何等かの理由で亡くなります。その後、等覚院宮は霊鑑寺に入寺、家基公の代わりに、家斉公が将軍職に就きます。家斉公は家基公を不憫に思っていたのか、もしくは、その他の理由で、家基公には特別の配慮をしています。例えば、家斉は一橋家の生まれで、家基公と直接血縁関係はありませんが、なぜか、毎年お墓詣りを欠かしませんでした。
これはかつての婚約者たる等覚院宮に対しても同様で、伽羅のほか、本堂、書院の東側にある硯石を寄進しています。

家斉公は自分のお父さんがなんかしたと思っていたのかもしれないね。
居間の襖絵は狩野永徳によるもので、奇しくも鷹狩りの絵のようすが描かれます。釘隠しにはウサギさんがあしらわれます。これは妙見信仰に基づき、大内裏から見て霊鑑寺が卯(東)の方角に位置していることによります。同様の理由により、宝蔵にもウサギさんがいます。
他方、次の間は侍従の部屋で、ここには、上皇常皇后陛下が行幸の際にお座りになった椅子が展示されています。
応挙の間、仙人の間
これらは謁見の間から見て左側にあります。それぞれ、円山応挙、仙人の絵があることからこのように呼ばれます。この二つの間と玄関と門がかつての御番所です。

次のページはかわいい御所人形などの寺宝、椿と紅葉やアクセス情報だよ。
御所人形
御所からのお土産という意味で御所人形と呼ばれます。陶器でできているようにみえますが、桐の木でつくられた人形です。幼子をデフォルメしたもので、可愛の中に品格が垣間見えます。

オレはおすわりしているカッパさんみたいな人形がお気に入りだぜ。
この他にも動物がお祭りに参じていると思われる様子を再現した賀茂人形や、本物と紛うかのような狆の人形など、人形が沢山あります。門跡寺院たる証左と申せましょう。ただし、全てが展示されているわけではありません。
また、動植物の名称を覚えるためのかるたや、歴代天皇の御遣愛の品を寺宝として有しています。
椿
境内には、約120種、500本ほどの椿が植えられています。これらは一度に見頃を迎えるわけではなく、見頃は間断なく続きます。2月中ばに参拝しましたが、丁度、寒椿と八重侘助椿が見頃になっていました。他にも書院前の庭園に咲く、後水尾天皇御遺愛と伝えられる、樹齢約400年の日光椿などがあります。
紅葉
紅葉は隠れた名所となっております。苔が綺麗な所ですが、対比を楽しむのがよろしいかと思います。ご覧のように、本当に赤い紅葉をみることができる数少ない場所の一つです。