市比賣神社のひいなまつり
ひいなまつりとは?
ひいなまつりとは、毎年3月3日に市比賣神社から河原町通を挟んだ向かい川にある、「ひと・まち交流館」という会場で行われるひな祭りに関するイベントです。当日は、男雛女雛の着付実演、ひと雛、官女の舞、平安貴族の遊び(投扇興、双六、貝合わせ)、お茶席の接待などが行われます。こちらに参加するには3,000円が必要です。
男雛女雛の着付実演
女雛の十二単衣の着付けの模様を撮影してあります。編集するまで今しばらくお待ちください。
ひと雛
他方、河原町通りを挟んではす向かいにあるひと・まち交流館ではひと雛と呼ばれる、リアルお雛様を目にすることが出来ます。この後、三人官女による、官女の舞や天児の儀が執り行われます。
すでにお気づきの方もおられるかと思いますが、女雛と男雛の位置が関東の雛人形とは逆になっています。これは京雛の特徴で、昔ですので、男性の方が地位が高いと考えられていましたので、地位が高い側 i.e. 左側に男雛がいます。なぜ左の方が地位が高いかと申しますと、南向きに建っている内裏からみて日が昇る方(左側)が地位が高い、ということになっていたからです。左大臣の方が右大臣よりも地位が高いのは同様の理由からです。
ひな段にリアル雛人形が勢ぞろいすると、雅楽の演奏が始まります。
引き続き、天児の舞・官女の舞が行われます。
投扇興(とうよきょう)
塗の箱を「まくら」、上に載っている扇を「蝶」と呼びます。手前にある扇を投げて、蝶を落とし、落ちた蝶を枕の位置関係から点数が出されます。
こんな風にして遊びます。親指ではじくようにして扇を前になげます。採点は源氏物語各帖になぞられてなされます。たいていは花散里(ばらばらなじょうたい)になります。(投げるのが難しいため)
盤双六
筒にサイコロを入れて、出た目の数だけ石をすすめ、先にゴールすると勝ちとなるそうですが、ルールが複雑でよくわかりませんでした。偶然の要素(賽の目)に左右され、射幸心をあおるので賭博のようなものらしく、家屋敷を失う人も多く、度々禁止令が出たそうです。
貝合わせ
はまぐりの貝殻は一組で同じ形をしている性質に着目した神経衰弱に似た遊びです。
内側には絵が描いてあり、同じ絵がかいてあるのではなく、一組の絵になっています。
なお、貝合わせと盤双六は京都市平安京創生館で体験できます。
お茶席
お茶席では「ひきちぎり」というお菓子がいただけます。昔、宮中で人手が足りない時に、もちを丸める暇がなかったのでひきちぎったことに由来するそうです。でんでん虫を模してあります。緑と桃色の二色がありましたが、桃色の方が人気でした。色を選ぶことはできませんでしたので、どちらがいただけるかは運次第です。
五節句
七夕とは五節句の一つで、日本古来の慣習と奈良時代に中国から伝わった慣習が混ざったものです。折角ですので、五節句につき、以下簡単にご紹介します。
七草の節句(1月7日)
七草を頂き、一年間の無病息災を願います。
この日、上賀茂神社では、白馬奏覧神事が行われます。七草については、白馬奏覧神事の投稿をご覧ください。
桃の節句(3月3日)
女児の健康を願う行事です。いちひめ神社の他、下鴨神社の雛祭りが有名です。
端午の節句(5月5日)
男児の健康を願う行事です。鯉のぼりをあげますが、菖蒲が刀に似ていることから、菖蒲の節句とも呼ばれます。
七夕(7月7日)
日本には古来、棚機(たなばた)という行事がありました。これは、乙女が着物を織り、神様に供えて、その年の豊作を祈り、穢れを祓うものです。
他方、中国には、庭に祭壇を設け、糸や針、布をはじめ、様々な品を供え、織女星にはたおりなど手芸の上達を祈願する、乞巧奠(きこうてん)と呼ばれる儀式がありました。
さらに、中国では、天の川を挟んで、裁縫の仕事を司ること座のベガ、農業の仕事の象徴するわし座の牽牛星が旧暦7月7日頃に輝きを増すことから、同日は年に一度のめぐり会いを象徴する日と考えられていました。この三者が混ざって現在の七夕になっています。
菊の節句(9月9日)
陰陽道に基づくもので、菊を浮かべたお酒をのんだり、菊の上にかぶせた綿からとった夜露で体をふくなどして、長寿を祝います。