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葵祭2024のみどころ:斎王代と行列ルート、日程、有料観覧席を徹底解説

この記事の構成

このページのもくじはこの下にあります。

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上賀茂神社 本殿祭の儀、並びに勅祭(社頭の儀)

概説

さて、天皇陛下のお使いたる勅使が代理で訪れ国家安泰・五穀豊穣を祈願するという賀茂祭の本質をみることができるのは、社頭の儀です。下鴨神社では観覧することは叶いませんが(除崇敬会会員等)、上賀茂神社でしたら、遠くからみることができます(有料)。

上賀茂神社では、行粧の到着に先立ち、本殿祭の儀が行われ、次いで勅使を含む行粧の到着をまって開催される勅祭の二者が行われます。以下、順次ご紹介します。尚、写真は望遠レンズ(鳥さんの撮影に使うようなすごいものではなく、ごく普通のものです。)で撮影しています。ご覧になりたい方は、双眼鏡などをお持ちになるとよいでしょう。

祝詞と返祝詞(かえしのりと)

御祭文

本節では路頭の儀の中でも重要な祝詞とこれに対する返祝詞(かえしのりと)につき介し説します。

今日、「祝詞」と申しますと、祭祀に於いて人から神に奏上する言葉を想起しますが、元来は「宣る」(のる)を名詞にしたもので、神または天皇が重大な事実を述べることを意味します。殊に神からのお言葉を返祝詞と呼ばれ、現在では賀茂社(上賀茂、下鴨領神社)でしか行われません。

葵祭御祭文

葵祭では、下鴨神社、上賀茂神社に陛下から御祭神に宛てた御祭文が奏上されます。御祭文とは陛下が勅使を代理(使者)として読ませるための宣命のことです。

たけちよ
たけちよ

上の写真に写っているのは私のメモの一部です。手短に言うと、天下泰平が祈願されています。

この御祭文は勅使により下鴨神社、上賀茂神社の順でそれぞれの御祭神に奏上されます。(一通を以て両社に奏上されます。尚、御祭神にお聞かせするものであり、小声で奏上されるため、聞き取れません)

これに対し、御祭神からのご返答が返祝詞であり、文理上の本来の意義になり、天下の平安を守れるようにします、と言った内容が述べられます。

シカさん
シカさん

”天皇の朝廷におのづから参りよるべからむ悪事をば、他方へしりぞけ奉りおはします。~中略~皇太神の仰せ給ふ御詔を受玉はりて、葵桂の御かざしに、祝ひこめて伝へ申す。”って書いてあるよ。

賀茂祭の返祝詞は上賀茂神社では途絶えてしまいましたが、下鴨神社には残っていて、上賀茂神社のものはこれに則っています。原文は我が国の固有のひらがなで記載されています。

七里ヶ浜親方
七里ヶ浜親方

さっきも言ったけど、返祝詞っつーのは上賀茂神社と下鴨神社にしか残ってねーんだけど、神様とオレたちの紐帯が明確になる例の一つだから、最大のみどころだべ。

本殿祭の儀


上賀茂神社・本殿祭上賀茂神社・本殿祭

上賀茂神社・本殿祭上賀茂神社・本殿祭

葵祭(勅祭)の前に行われる、上賀茂神社の例祭です。土屋(赤い鳥居マークから)本殿(青い鳥居マーク)に向かって進んでいきます。この後、本殿で本殿祭が行われますが、非公開です。橋(玉橋といいます。)の上の人が持っているのは「庭積神饌唐櫃」といい、この中にこれから本殿で供される神饌が入っています。

勅祭 葵祭 社頭の儀

葵祭2018葵祭・上賀茂神社

上賀茂神社に到着した行粧は二の鳥居の中に入っていきます。午後3時半頃に到着予定ですが、例年遅れます。

勅使解除

行粧全員が鳥居の中の所定の位置についたところで、勅使(勅使代ではなく、天皇陛下がお使わしになった本物の勅使)が舞人(後に東遊を舞います。)と陪従を従えて鳥居の中に参進した後、祓あくという帳舎にはいります。ここで、人形や陰陽串を用いて解除(げじょ/はらえ)が行われます。

斎王御禊

斎王代御禊の投稿でご紹介しました、平安時代の禊もこのようなところで行われていたようです。

内蔵使安上

まずは、御祭文の奏上に先立ち、御幣物が橋殿(写真の建物)の先にある、安上というところに置かれます。

葵祭の御幣物

御幣物は先ほどご紹介しましたように布です。

御祭文

次に、御祭文が奏上されます。御祭文を介し、天皇陛下は国家繁栄・国民安泰を賀茂大神に奏上します。写真の赤い紙(紅色鳥子紙という和紙)が御祭文です。勅使が参向する神社では、伊勢神宮が縹色(薄い青色)、石清水八幡宮では黄色など色が決まっています。写真は奏上し終わり、宮司に手渡しているところです。先ほどの御幣物とともに本殿に運ばれます。

返祝詞岩上

奏上の後、宮司が岩上(がんじょう)と呼ばれるところで、蹲踞し、返祝詞(かえしのりと)と奏上します。交互に二回拍手をし、天皇陛下の御勅願が賀茂大神に伝わったことが確認されます。その後、勅使には、葵が授けられます。

勅祭

次に、馬寮使が御馬を賀茂大神にご覧に入れます。橋殿の周りを三周(三匝といいます。)しその後、楼門前まで引き連れます。

白馬総覧神事白馬総覧神事

写真は白馬総覧神事の様子ですが、同様のルートを取ります。

走馬の儀

その後、東遊が奏され、走馬の儀(そうまのぎ)となります。本投稿冒頭でご紹介しました、神託により、葵をつけた馬でお迎えしたという、葵祭の始まりにかかる儀式です。実際には、この後、さらに御阿礼所神館(みあれじょこうだて)という、上賀茂神社の北にある場所でも同じく走馬の儀が行われます。(非公開)

げきすせん
げきすせん

次は、御蔭祭など前儀を含めた日程の詳細です。