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東寺立体曼荼羅を詳細かつ簡単に解説【羯磨曼荼羅】

この記事の構成

このページのもくじはこの下にあります。

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五智如来像(如来部)

概説

東寺立体曼荼羅五智如来像

大日如来を中心に、阿弥陀如来像、宝生如来像、不空成就如来像、阿閦如来(あしゅくにょらい)像が配され、大日如来が具備する五つの智慧(五智)に対応することから、五智如来と呼ばれます。宇宙は地・水・火・風・空の五要素からなるとする古代インドの考えに基づきます。如来は真理を表します。真理に目覚めている者は心身を飾る必要がないので、衲衣(のうえ)というシンプルな布を纏ってます。いずれも1486年の土一揆により焼失したため、室町時代に再興されたもので、寄木造で表面は漆箔で覆われています。

いずれも重要文化財に指定されています。尚、東寺の五重塔も同様に、立体曼荼羅同様に、五智如来が祀られています。ただし、大日如来の像はなく、心柱を大日如来に見立てています。

如来はすでに悟っており、着飾る必要がないため、納衣(のうえ)という簡素な衣服を身に着けています。但し、大日如来像は菩薩のような服装をしています。これは人間を救うため、(親近感を得るため)人と同じような服装をしているためです。

大日如来像(中心1)

東寺立体曼荼羅大日如来像

立体曼荼羅

サンスクリット語のMahavairocanaを音写したもので、魔訶毘盧遮那仏ともよばれ、密教で、宇宙の真理、若しくは宇宙そのものを体現します。曼荼羅に於いては、金剛界曼荼羅での主尊としては、智拳印を、胎蔵界曼荼羅の主尊としては法界定印を結びます。立体曼荼羅の大日如来像は智拳印という印相を結んでいますので、金剛界曼荼羅の大日如来像を表しています。光背にはには37体の化仏が配されますが、そのうち一体は造形が異なることから、創建当初のものと解されています。

先述の通り、1486年の土一揆で焼失し、1499年に再興されましたところ、1997年に行われた修復の際、仏舎利が納められていたことが確認されました。

シカさん
シカさん

仏舎利は額から鼻の上の辺りの間にあるよ。

お福さん
お福さん

真言:オンバザラダトバン

阿弥陀如来像(前列左2)

東寺立体曼荼羅阿弥陀如来像

立体曼荼羅

サンスクリット語で「量り知れない光、若しくは寿命をもつもの」という意味で無量寿仏と呼ばれることもあります。西方の極楽浄土を統べ、「南無阿弥陀仏」と唱えたすべての人を極楽浄土へと導きます。往生するときに迎えに来てくれます。平等院鳳凰堂の本尊や永観堂の振り返っている仏像も阿弥陀如来像です。

1486年の焼失の後、1834年に古仏の頭部を流用して再興されました。

お福さん
お福さん

真言:オンアミリタテイゼイカラウン

宝生如来像(前列右3)

東寺立体曼荼羅宝生如来像

立体曼荼羅

宝から生まれたもの、という意味で、全ての事物を平等に扱うという「平等性智」を表します。1486年の焼失の後、江戸時代に再興されたものと考えられています。

お福さん
お福さん

真言:オン アラタンノウサンバンバタラク

不空成就如来像(後列左4)

東寺立体曼荼羅不空成就如来像

立体曼荼羅

「不空」とは「空しくない」、すなわち満ち足りていることを示します。何者にもとらわれずに実践するという「成所作智」を表します。1486年の焼失の後、江戸時代に再興されたものと考えられています。

お福さん
お福さん

真言:オン アボキャシッデイアク

阿閦如来像(後列右5)

東寺立体曼荼羅阿閦如来像

立体曼荼羅

「ゆるぎないもの」を意味し、大日如来の清らかな心を意味する「大円鏡智」を表します。悟りが金剛のように固いことを意味します。1486年の焼失の後、江戸時代に再興されたものと考えられています。

お福さん
お福さん

真言:オン アキシュビヤウン

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五菩薩像(菩薩部)

概説

東寺立体曼荼羅五菩薩像

金剛波羅蜜菩薩を中心に、金剛波羅蜜菩薩、金剛法菩薩、金剛宝菩薩、金剛業菩薩、金剛薩埵菩薩像が配されます。金剛波羅蜜菩薩を除き、839年に創建され、いずれも国宝です。菩薩とは悟りを求めながら。如来の慈悲を以て衆生を悟りに導くものです。人間を導くので、人と似たような服装をしています。将来は如来になります。いずれも『仁王経』に登場し、「金剛」とは意思が硬いことを示します。金剛波羅蜜菩薩像を除き、ヒノキの一本造で、髪の毛などは乾漆が用いられ、表面は漆箔で仕上げられています。

宝冠、胸飾(ネックレス)、臂釧(ひせん。腕の飾り)、並びに腕釧(わんせん。ブレスレット)を纏っています。これら衣服や装身具は衆生を悟りに導くために現れるので、人と同じような服装をしています。

金剛波羅蜜菩薩(中心1)

東寺立体曼荼羅金剛波羅蜜菩薩

立体曼荼羅

金剛波羅蜜菩薩は智慧で人間を仏道に導きます。2019年6月より修理のため美術院 国宝修理所におられました。

お福さん
お福さん

真言:オンサッタババジリウン

七里ヶ浜親方
七里ヶ浜親方

美術院ってえのは、簡単に言うと、岡倉天心が創設した日本美術院っつー組織の国宝修理部門が分離したところで、国宝の修理をしてるところだ。

シカさん
シカさん

今は金閣寺の工事のときみたいに、大きな写真パネルが置いてあったよ。

金剛法菩薩(前列左2)

東寺立体曼荼羅金剛法菩薩

立体曼荼羅

迷いにある人を悟りに導きます。

お福さん
お福さん

真言:オン バザラタ ラマキリク

金剛宝菩薩(前列右3)

東寺立体曼荼羅金剛宝菩薩

立体曼荼羅

宝生如来が菩薩の姿に変わったもので、慈悲の心で福徳をもたらします。

真言:オン バザラアラタンノウ オン

金剛業菩薩(後列左4)

東寺立体曼荼羅金剛業菩薩

立体曼荼羅

人間から迷いを取り除きます。

お福さん
お福さん

真言:オン バザラキャラマ ケン

金剛薩埵菩薩像(後列右5)

東寺立体曼荼羅金剛業菩薩

立体曼荼羅

「こんごうさったぼさつ」と読みます。人間の煩悩を打ち砕き、覚醒させます。

お福さん
お福さん

真言:オン バザラサトバ アク

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五大明王像(明王部)

概説

東寺立体曼荼羅五大明王像

不動明王を中心に、軍荼利明王、隆三世明王、大威徳明王、金剛夜叉明王により構成されます。明王というのは密教独自の尊格で、如来の化身を意味します。煩悩を打ち砕き、迷いの世界から導いてくれます。『仁王経念誦儀軌』などの密教経典で説かれる五憤怒尊を表現したものです。五体とも839年開眼当初のもので、ヒノキの一木造で表面は彩色されています。

条帛(じょうはく)と呼ばれる衣と、裳とよばれる腰布、臂釧(ひせん。腕の飾り)、並びに腕釧(わんせん。ブレスレット)を纏っています。憤怒の相は衆生を必死に導く様を表しています。

不動明王像(中心1)

東寺立体曼荼羅不動明王像

立体曼荼羅

大日如来の化身で、その内心を表します。怒っているような容貌は、いかなる困難をも退け、強制的に仏道に導こうとする決意を表しています。背後の炎は「迦楼羅炎(かるらえん)」と呼ばれます。これは迦楼羅天という煩悩を食べる仏を意味します。不動明王像の嚆矢とされています。

お福さん
お福さん

真言:ノウマク サンマンダ バザラダン カン

軍荼利明王像(前列左2)

東寺立体曼荼羅軍荼利明王像

立体曼荼羅

宝生如来の化身です。「ぐんだりみょうおう」と読みます。八本の腕で夜叉などの外敵から人を守ります。南方を守ります。

お福さん
お福さん

真言:アン アミリテイ ウン ハッタ

隆三世明王(前列右3)

東寺立体曼荼羅隆三世明王

立体曼荼羅

閦如来の化身です。大日如来の命を受け、三つの世界、すなわち、過去、現在、未来の煩悩を退治します。足のしたにいるのは大自在天とその妃烏摩(うまー)です。東方を守ります。

お福さん
お福さん

真言:オン ソンバニソンバ ウンバザラウンハッタ

大威徳明王(後列左4)

東寺立体曼荼羅大威徳明王

立体曼荼羅

阿弥陀如来、若しくは文殊菩薩の化身で、水牛に乗っていて六面六臂六脚の姿をしています。六脚の仏は大威徳明王のみです。西方を守ります。

お福さん
お福さん

真言:オン シュチリキャラ ロハウンケン ソハカ

金剛夜叉明王(後列右5)

東寺立体曼荼羅金剛夜叉明王

立体曼荼羅

不空成就如来の化身とされ、全ての悪を食べ尽くします。北方を守ります。

お福さん
お福さん

真言:オンバザラヤキシャ ウン

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天部

概説

天部とは六道の最上部に位置する天部に住む者の総称です。インド古来の神々が仏教に取り入れられたのち、仏教の守護神となったものです。立体曼荼羅では四隅を四天王たる増長天、持国天、広目天、多聞天、東西を梵天、帝釈天がそれぞれ守ります。四天王は須弥山の中腹にすみ、四方を守護します。

増長天(1)

東寺立体曼荼羅増長天

立体曼荼羅

「ぞうじょうてん」と読みます。四天王の中で南方を守護します。

お福さん
お福さん

真言:オンビロダキャヤキシャヂハタエイ ソワカ

帝釈天(2)

東寺立体曼荼羅帝釈天

立体曼荼羅

釈迦の成道をたすけた守護神です。須弥壇上に安置されます。

お福さん
お福さん

真言:ノウマクサマンダボダナン インダラヤ ソワカ

広目天(3)

東寺立体曼荼羅広目天

西方を守護します。

お福さん
お福さん

真言:オンビロハキシャ ノウギャ ヂハタエイ ソワカ

持国天(3)

東寺立体曼荼羅持国天

東方を守護します。

お福さん
お福さん

真言:オンチレイタラ シュタラララハラマダノウ ソワカ

梵天(5)

東寺立体曼荼羅梵天

釈迦が悟りを開いたとき、帝釈天とともに、これを人々に広めるように諭しました。須弥壇上に安置されます。

お福さん
お福さん

真言:ノウマクサマンダボダナン ボラカンマネイ ソワカ

多聞天(6)

東寺立体曼荼羅多聞天

単独で安置されるときは、毘沙門天と呼ばれます。軍神で北方を守護します。

お福さん
お福さん

真言:ノンバ イシラマンダヤ ソワカ

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曼荼羅とは?

曼荼羅の意味

曼荼羅(まんだら)とは、密教の経典に則り、諸仏諸尊を絵や記号であらわしたもので、サンスクリット語の音に漢字をあてたものです。「まんだ」とは本質という意味であり、「ら」は有するという意味となります。たくさんの種類がありますが、空海により日本にもたらされたのは「大曼荼羅(だいまんだら)」、「法曼荼羅(ほうまんだら)」、並びに「三昧耶曼荼羅(さんまやまんだら)」の三種です。

シカさん
シカさん

清水寺参詣曼荼羅みたいに「曼荼羅」という名称が形式的に付されている昔のガイドブックもあるよ

曼荼羅の種類

大曼荼羅

大曼荼羅とは、諸仏諸尊が絵で表現されたもので、「曼荼羅」といった時に多くの人が想起するものです。

法曼荼羅

法界曼荼羅とは、諸仏諸尊が絵ではなく、梵字で表現されたものです。

三昧耶曼荼羅

三昧耶曼荼羅とは、諸仏諸尊が絵でもなく、梵字でもなく、金剛杵などの諸仏諸尊が持っているもの、若しくは結んでいる印相で表現されたものです。

両界曼荼羅

両界曼荼羅の構成

上記三種の曼荼羅はいずれも、「胎蔵界曼荼羅」、「金剛界曼荼羅」の二つにより構成されます。そして、この二者を合わせて、「両界曼荼羅」と呼びます。いずれも大日如来を中心に構成され、万物が大日如来の分身であることを表します。

胎蔵界曼荼羅

胎蔵界曼荼羅

密教の根本経典、『大日経』が表現されています。中心に宇宙の中心たる大日如来が置かれ、周囲に414尊が配され、真理が流布する様子が表現されます。

金剛界曼荼羅

金剛界曼荼羅

密教の根本経典、『金剛頂経』が表現されています。全体が九会と呼ばれる九つの区域に分けられ、1461尊が配され、悟りを実践する過程が示唆されます。

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東寺基本情報

  • Phone 
  • Website 東寺公式
  • 拝観料: 500円
  • 拝観時間: 8:00-17:00
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東寺へのアクセス


市バス: 東寺東門前、若しくは東寺道バス停

JR西日本: 京都駅

近鉄: 東寺駅