2025年/令和七年
2025年も特段の事情なき限り、1月7日に開催予定です。
白馬奏覧神事とは?
白馬奏覧神事の由来
白馬奏覧神事とは、毎年、上賀茂神社で一月七日に行われる神事です。一月の始めに白馬(あおうま)を見ると邪気が払われるという中国の故事に基づく白馬節会(あおうませちえ)と呼ばれる宮中行事が神事に転じたものです。上賀茂神社では神山号という神馬をご神前に連れて行き、神覧に供します。神馬がいないと催行できない神事なので、上賀茂神社の他では、大阪の住吉大社など限られた神社でしか目にすることはできません。
白馬節会とは?
白馬節会とは、毎年一月七日に天皇陛下が紫宸殿(ししんでん。上の写真です。)にお出ましになり、故事で邪気を払うと信じられていた白馬を前にして、催した宴のことです。この故事は昔の中国では春のことを「青陽」と呼び、かつ、馬が陽の動物なので、年の始めに馬を見るという儀式が行われていたことに起源を持ちます。
もともとは白馬ではなく、青馬をみていました。青馬とは、大伴家持が「水鳥の鴨の羽の色の青馬」と万葉集で詠んでいますので、おそらく上の写真のような色合いだったと思います。
日本では穢れや邪気を祓うとう意味で白が神聖視されたので、馬自体は白い馬に転じ、音だけ「あお」が残ったものと推認されます。
神馬とは?
神馬)(しんめ/じんめ)とは、神様に奉納される馬のことです。京都にある貴船神社(「きぶね」ではなく「きふね」と読みます。かつては上賀茂神社の域外摂社)が発祥の地とされています。当地では雨を願う時は、黒馬、晴れを願うときは白馬を奉納する習慣がありましたが、実際に馬を納めるのは納める人も神社にとっても負担になることから、今日の絵馬に転じたとされています。貴船神社についきましてはこちらをご覧ください。
上賀茂神社には「神山号(こうやまごう)」という神馬がいます。2021年に代替わりし、現在は7代目です。もともとは競走馬で、本名は”Man in the moon” です。週末や特別な行事の際、神馬舎にいます。普段は京都産業大学の馬術部で暮らしています。2010年2月25日に千歳市で生まれました。神馬舎にいるときは、人参をあげることができます。
♪Au clair de la lune, un amour est né~
ちなみに6代目は「メダイヨン(Médaillon)」という名前で2004年2月25日に北海道で生まれ、千葉の中山競馬場からやってきました。
誕生日が一緒だね
神山とは上賀茂神社から見て北西の方角にある山で、上賀茂神社の御祭神が御降臨なさった山です。上の写真は細殿の前にある立砂と呼ばれるもので、神山をかたどったものです。
この御降臨の際に馬を走らせお迎えしたことが、葵祭前儀の賀茂競馬(かもくらべうま)の由来になっています。詳細は葵祭ガイドをご覧ください。
え、そうだったの?
この山にちなんで、神山号と命名されています。
白馬奏覧神事次第
まず、当日は10時から「昭和天皇遥拝式」という儀式が行われます。先帝後崩御の日ですので、武蔵野御陵を遥拝します。(写真は神事直前の様子)
普段はラベンハムのオーヴァーコートのようなものを着ている神山号も、当日は葵の紋が入った胴掛のようなもに着替えます。
神馬舎を出発して地図上の赤い線を本殿に向かってすすんで行きます。
参拝者は地図上青い線にそって鳥居マークから宇宙人マークに向かってすすんでいきますが、神山号は宇宙人マークのところから本殿前に向かいます。(上の写真の神山号はちょうど宇宙人マークのあたりにいます。)
上賀茂神社の本殿前はお正月などの特別の機会でなければ入れません。上賀茂神社には本殿の隣に権殿という本殿と全く同じお社があります。権殿とは有事や改修工事などで、本殿が使えいない時に、用いるお社のことです。最近ですと、式年遷宮の時に用いられました。
おいしそう、、、
本殿前では神事が行われ、神山号は巫女さんから大豆を頂きます。(神事なので撮影はしていません。写真は神山号が神前に臨む様子です。このあと、もう少し前にでて巫女さんから大豆をもらって食べます。)
牽馬の儀
一旦神馬舎に戻った神山号は12時(午の刻)になると、今度は橋殿の周りを三周まわり、その後、楼門前から本殿を遥拝します。1時と2時にも同じ儀式が行われます。