この記事の構成
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#7 東福寺
八相の庭
東福寺の方丈には東西南北それぞれに面した庭があります。方丈の四面に庭が配されているのは大変めずらしく、パンフレットによると、東福寺だけとのことです。これらの庭は合わせて、「八相の庭」と呼ばれます。八相とは、「八相成道」を略したものです。八相成道とは、釈迦の生涯を8つの局面に分けて説くものです。いずれも光明院、瑞峰院と並び、重森三玲作庭です。
四面の庭の内、南と東の庭が枯山水庭園です。西と北はそれぞれ、上の写真のようになっています。西が井田市松、北が小市松と呼ばれます。ご覧のようにサツキが綺麗なところです。
尚、東福寺と申しますと、この橋(通天橋)が有名かと思いますが、方丈と枯山水庭園はこことは別の場所にあります。
南庭
まずは写真の左奥から、四つの島をご覧いただけるかと思います。奥から、「瀛洲(えいじゅう)」、「蓬莱」、「壷梁(こりょう)」、そして最後に表門前の「方丈」と呼ばれます。蓬莱は先ほどからご紹介しております、蓬莱山を意味し、残りの三つの島も同様に、仙人が住み財宝があると信じられています。
庭園の渦は須弥山を囲む八海を表します。
奥に築山が見えますが、これは五山を表します。
東庭
東庭は七本の柱で北斗七星を表します。これらの柱は東司(とうす。トイレのこと)の柱の余りを用いています。
東福寺へのアクセス
JR/京阪東福寺駅から徒歩約15分。
東福寺基本情報
#8 建仁寺
大雄苑(だいおうえん)
建仁寺には方丈に面して三つの庭があります。一番大きなものは大雄山にちなみ、大雄苑と呼ばれます。大雄山は別名「百丈山」とよばれます。初めて禅宗の制度を確立させた百丈禅師が開いたことからこう呼ばれます。七代目小川治兵衛により作庭されました。大海、若しくは雲海を表す波形が特徴的な庭園です。石組みは百丈山とその周辺の山を表します。
〇△□乃庭
小書院の前にある庭です。先ほどご紹介しました正伝寺の門のところと同じ意味を表します。苔の部分が〇、手前の線が庭を△に分断し、庭全体で□を表します。
潮音庭
潮音とは、金閣寺の二層目たる潮音洞と同様に、真実が波の音のように訪れるという意味です。平成の小堀遠州とも称される、北山安夫氏による作庭です。中央の石は三尊石です。建仁寺の本尊は釈迦如来ですので、それぞれ、釈迦如来、文殊菩薩、並びに普賢菩薩を表しているかと思います。
建仁寺へのアクセス
市バス四条河原町バス停、阪急河原町駅から徒歩約10分。
市バス祇園バス停、京阪祇園四条駅から徒歩約5分。
建仁寺基本情報
次は知る人ぞ知る例の場所です。