この記事の構成
このページのもくじはこの下にあります。
#5 瑞峰院
独座庭
瑞峰院には三つの庭があります。一番大きなものが方丈南側に面する独座庭と呼ばれる枯山水庭園です。独座とは、茶席で来客が去った後、亭主が釜の前で思案することを指します。作庭は光明院と同じ重森三玲です。1961年、開祖である徹岫宗九の400年遠忌に作庭れました。右奥に見えるの石組みは興臨院の庭園と同様に、蓬莱山を表します。蓬莱山とは、神仙思想の中に見られるもので、不老不死の仙人が住むと信じられています。白砂は波の去来を力強く表します。
一枚目の写真の右奥は入り江になっています。こちらは穏やかな印象です。
露地庭
露地庭は茶室に面したところにあります。写真奥の廊下の右側に独座庭があり、左側に茶室があります。この写真のように灯篭に面した時の後方に、次にご紹介いたします閑眠庭があります。
灯籠は所謂「キリシタン灯籠」になっています。キリシタン灯籠とは、火袋を支えている柱にでっぱりがあり、これと柱で十字架を表します。柱の根本にはマママリーの絵がありあす(見えません)。これは瑞峰院を建立した大友宗麟がキリシタン大名だったためです。
閑眠庭
こちらも重森三玲作です。「閑眠高臥して青山に対す」という禅語から取っています。おおざっぱにいうと、年を取って無駄なものがなくなった境地を意味します。七つの石が十字架を表しています。写真右奥に先ほどの露地庭があります。キリシタン灯籠を背にして閑眠庭を見ると、灯籠と十字架が一直線にならんでいるので、十字架がはっきりと見えます。
おすすめどすえ
瑞峰院へのアクセス
大徳寺前バス停から徒歩約5分。
瑞峰院基本情報
#6 南禅寺
方丈前庭園
南禅寺の方丈には「方丈前庭園」、「小方丈庭園/如心庭」、そして「六道庭」があります。このうち前二者が枯山水庭園となっています。
南禅寺は京都五山の別格です。築地塀には五本の線が入っています。この線は「定規筋」と呼ばれます。元来は門跡寺院などに五本の線を引いたことによるもので、最高の格式を示します。後世では門跡寺院に限らず、材料を下賜されたとの理由でも引かれるようになりました。南禅寺の方丈は御所の建物(清涼殿若しくは女院御所の対面御殿)を江戸時代に下賜されていますので、おそらくその関係によるものと思われます。
方丈庭園はご覧のように巨石が並べてあります。これは龍安寺石庭の意味の通説的見解と同様に「虎の子渡し」を表現しています。小堀遠州作と伝えられ、昭和26年に国の名勝にしていされています。
小方丈庭園/如心庭
方丈西側には「如心庭」と呼ばれる庭があります。この庭は、1966年に当時の南禅寺管長、柴山全慶老師の指導の下、心を表現すべく作庭されました。結果、石の配置が漢字「心」となっています。この先に「六道庭」がありますが、六道庭は六道輪廻を表すのに対し、如心庭は悟った心を表しています。
南禅寺へのアクセス
京都市営地下鉄蹴上駅より徒歩約10分。
南禅寺基本情報
次は有名どころだぜ。