この記事の構成
- 1ページ目 2025年最新情報
- 2ページ目 夏越の祓、くじ取り式など
- 3ページ目 長刀鉾稚児舞披露、神用水清祓式、鉾立など
- 4ページ目 お迎え提灯、神輿洗、お稚児さん社参など
- 5ページ目 前祭宵山
- 6ページ目 弓矢町武具飾、石見神楽など
- 7ページ目 前祭巡行、神幸祭、神輿渡御など
- 8ページ目 後祭宵山1
- 9ページ目 後祭宵山2
- 10ページ目 あばれ観音、還幸祭、疫神社夏越祭など
- 11ページ目 コロナ禍の様子(2022年、2021年、2020年)
このページのもくじはこの下にあります。
夏越の祓 6月最終週頃
茅の輪くぐり
概ね6月最終週付近に、京都の寺社仏閣では茅の輪が設けられ、年初からの半年間に溜まった罪穢れを祓う儀式(夏越祭)が行われます。祇園祭に先立ち、心身を清めておかれるとよいでしょう。
祓についてはとりあえず以下のリンクを参照してくれ。日本語版はもう少し先になりそうだ。すまねえ。
八坂神社では6月の最終週にご覧の茅の輪が設置されます。もしこちらにお越しになれない場合は、お近くの神社などで済ませておくとよろしいでしょう。茅の輪くぐりの詳細は以下からどうぞ。
水無月
夏越しの祓に際しては、水無月(みなつき)というお菓子をいただくのが慣行になっています。6月の声を聞く頃、市内の和菓子店の店頭に並びます。(お店によっては年間を通じおいてあるところもあります。)
6月30日 祇園祭1150年奉祝提灯行列
昨年は祇園祭1150年を記念して、八坂神社から、雅楽の演奏とともに、提灯行列が出発しました。途中、御旅所で長刀鉾での祇園囃子に出迎えられ、八坂神社にもどりました。
今年はないよ
きゅうり禁止 7月1〜31日
八坂神社の御神紋である木瓜(もっこう。上の写真の袙の模様)がきゅうりの切り口に似ていることから、7月中はきゅうりを食べることは禁忌とされます。万が一口にした場合、円山公園にいるお侍さんに、三条宗近が鍛えた刀で斬られます。
吉符入 7月1日
各山鉾町では保存会会員や囃子方が町会所に集まり、打合せを行います。会所では山鉾のご神体が祀られ、八坂神社の神職により清祓が行われます(役行者山のみ護摩焚)。吉符入り後はお囃子がある会所では「二階囃子」と呼ばれるお囃子の練習が始まります。(ただし、音合わせは5月頃から行われます。)
長刀鉾町お千度 7月1日 10:00~ 於 八坂神社
お稚児さんと禿、町役員の方が八坂神社の境内は三周周り、祭の無事を祈ります。三回回ったことで、千回参拝したことになります。このとき、本殿前と後側で参拝します。
くじ取り式 7月2日 10:00~ 於 京都市役所
概要
京都市役所の市議会議場で前祭・後祭の山鉾巡行の順番を決めるくじを引きます。巡行の順番を巡る争いを避けるため、1500年から始まりました。ただし、長刀鉾や船鉾のように、あらかじめ順番が固定されている鉾もあります。
尚、くじとり式は現在では京都市議会の本会議場で行われますが、江戸時代までは、六角堂で行われていました。これは応仁の乱の後、会所として機能していたためです。
このくじ取り式ですが、単に巡行の順番を決めるだけの行事のように見えますが、歴史的観点からは興味深い点が多々ありますので、少しご紹介します。
先ほど、応仁の乱と申しましたが、ご存知の通り、京都市内は壊滅状態になります。乱の前には、今日でいう氏子(元来的な意味ではなく、地縁によるものという意味で用いています。)の住む町のみならず、座という職能的な紐帯に基づく団体も鉾を出していましたが、乱の後は後者のみが残り、現在に至ります。
また、応仁の乱がおこった戦国期には京都の市街地は上京と下京の一部のみが残り、これらは惣構(堀やら塀やらで構成される建造物)で囲まれていて、室町通がこれらを繋いでいました。(地図上でみるとダンベルを縦にしたようにみえます。)現在の山鉾を出す町はこの時の下京の範囲と重なっています。
前祭巡行 7月17日
2024年のくじ取り式の結果です。
順番 | くじ | 山鉾 |
1 | くじ取らず | 長刀鉾 |
2 | 山壱番 | 油天神山 |
3 | 山弐番 | 伯牙山 |
4 | 山参番 | 白楽天山 |
5 | くじ取らず | 函谷鉾 |
6 | 山四番 | 山伏山 |
7 | 傘壱番 | 綾傘鉾 |
8 | 山五番 | 保昌山 |
9 | 鉾壱番 | 鶏鉾 |
10 | 山六番 | 霰天神山 |
11 | 山七番 | 芦刈山 |
12 | 山八番 | 孟宗山 |
13 | 鉾弐番 | 月鉾 |
14 | 山九番 | 太子山 |
15 | 傘弐番 | 四条傘鉾 |
16 | 山拾番 | 蟷螂山 |
17 | 鉾参番 | 菊水鉾 |
18 | 山拾壱番 | 木賊山 |
19 | 山拾弐番 | 郭巨山 |
20 | 山拾参番 | 占出山 |
21 | くじ取らず | 放下鉾 |
22 | くじ取らず | 岩戸山 |
23 | くじ取らず | 船鉾 |
後祭巡行 24日
順番 | くじ | 山鉾 |
1 | くじ取らず | 橋弁慶山 |
2 | くじ取らず | 北観音山 |
3 | 山一番 | 黒主山 |
4 | 山弐番 | 鯉山 |
5 | 山参番 | 鈴鹿山 |
6 | くじ取らず | 南観音山 |
7 | 山四番 | 浄妙山 |
8 | 山五番 | 八幡山 |
9 | 山六番 | 役行者山 |
10 | くじ取らず | 鷹山 |
11 | くじ取らず | 大船鉾 |
山鉾連合会社参 7月2日 11:30~ 於 八坂神社
各山鉾町の代表者が八坂神社に参拝し、祭の無事を祈願します。
船鉾町神面改め 7月2日 非公開
船鉾の四体の御神体の内の一つ、神功皇后の御神体にはお面が二枚あります。一つは正面で室町時代に作られたもの、もう一つは江戸時代に作られた写しです。これら二枚の面の無事が確認されます。巡行に際しては、御神体に写しをつけ、正面は役員の方が携えます。神功皇后が懐胎した状態で凱旋し、無事に出産したことから、安産のご利益があり、西面は宮中で出産の折には宮中に運ばれました。直近ですと明治天皇出産のときに運ばれました。
この故事に基づき、船鉾の粽やお守りには安産のご利益があります。